令和8年度施政運営方針
令和8年2月26日に再開した大阪狭山市議会定例会3月定例月議会初日で発表した施政運営方針です。
施政運営の基本方針
本市における令和7年のトピックスとしては、昭和49年の開院以来、半世紀にわたり本市の医療の中核を担ってこられました近畿大学病院の泉ヶ丘地区への移転であります。救命救急センターを核に高度な救急医療を提供し、本市のみならず南河内二次医療圏の三次救急医療機関及び災害拠点病院として、この地を支えてこられ、その存在は、本市のブランド力を高める重要な要素でもありました。
病院の移転は誠に残念なことではありますが、移転先においても、引き続き、南河内二次医療圏の三次救急医療機関及び災害拠点病院等として基幹的な役割を担っていただき、まちの安全・安心を支えていただくこととしております。
また、昨年12月には、近畿大学病院等の跡地について、跡地開発事業者である大和ハウス工業株式会社から、新たな医療機関である、『(仮称)医療法人せいわ会 大阪みなみリハビリテーション病院』や、商業・産業機能の導入と新たな道路網の整備による、にぎわいのある都市機能の構築といった、土地利用案と都市計画提案が示されたところです。
このように、新たな開発に向けて民間事業者が参入してくることは、本市のブランド力の高さを物語るものであり、狭山ニュータウン地区に限らず、本市全体への新たな活力とにぎわいの創出に必ずや寄与すると、期待が膨らみます。
かつて、狭山ニュータウンの開発が、狭山町から大阪狭山市への発展に大きく貢献したように、この移転跡地における開発は、次世代へとつながる持続可能な都市形成の礎となりうると確信しており、『まちのリメイク』の実現を大きく後押しするものであります。
また、令和7年4月の開幕から6カ月間開催された、大阪・関西万博につきましても、誰しもの心に残る一大イベントとなりました。
「いのち輝く未来社会のデザイン」をテーマに、関係者を含め、約2,900万人の来場者を数え、世界中から多くの人々が大阪に訪れました。
本市は、この大舞台において、市民パフォーマンスや特産品『大野ぶどう』、歴史遺産の展示など、本市が持つ『人』や『モノ』の魅力を国内外に発信することができました。
これらの取組みを通じて、市への訪問者の増加を図るとともに、出展関係者のシビックプライドの醸成や、子どもたちが未来を実感する機会を創出したところであります。
市民の皆様と職員が総力をあげて、この大舞台を成功に導いた経験によって、郷土への誇りを強く抱き、一人ひとりの自信と成長につながりました。特に職員においては、大規模事業を成し遂げた喜びとともに、今後の挑戦を支える大きな糧となったと確信しています。
令和8年度は、『継承していく視点』と『変えていく視点』の双方の視点に立って改訂いたしました「第五次大阪狭山市総合計画」の後期基本計画の開始年度であります。
そのスタートと呼応し、先の近畿大学病院等の跡地開発をはじめ、今熊地区周辺エリアにおける複合施設の整備及び交通結節点機能の強化、市立幼稚園・こども園の再編統合と子育て支援拠点の整備、本市の玄関口としての金剛駅周辺の空間再編、そして大阪府と連携した府営狭山住宅の集約建替え等、まちの未来を拓く複数の重要な大規模プロジェクトがいよいよ本格的に始動します。
これら同時並行で押し寄せる一大プロジェクトが確実に進むよう、覚悟と決意をもって臨み、臆することなく、果敢に挑むことで、大阪狭山市のさらなる発展と飛躍を実現してまいります。
施策運営に向けて、生活安心・住みやすさの観点から、子育て・教育支援による持続可能なまちづくりを進めてまいります。
国は「こども基本法」において、「こどもまんなか社会」の実現に向け、子どもの意見を尊重し、健やかな成長を社会全体で支える施策を進めています。子どもたち一人ひとりが尊重され、その健やかな成長と幸福が最大限に保障されるよう、環境を整備していくことが重要です。
本市は、「子育て先進都市」として、妊婦健診の支援や産後ケア、子ども医療費助成や相談体制の整備など、妊娠期から子育て期までの切れ目のない支援とともに、学校給食費の無償化をはじめとする教育環境の充実等により、安心して子育てをすることができる環境づくりや、子どもたちが夢や希望を抱きながら、未来に向かって生きる力を身につけていけるよう、次代を担う人材を育む取組みを進めてまいりました。
これまでの本市における施策の成果により、現在進められている金剛駅周辺でのマンション建設やすりばち池周辺での住宅地開発にみられるように、新たな人口流入による定住人口の増加が期待される動きが続いております。
しかし、進展する人口減少・少子高齢化の影響は避けられず、令和5年(2023年)に公表された国立社会保障・人口問題研究所の推計によれば、令和32年(2050年)の本市の人口は、現在よりも約1万人減少する見込みです。
そのため、若い世代や子育て世代に選ばれ、「住み続けたいと思われる」まちづくりを推進し、都市機能を維持していくことが、ますます重要となります。
今議会に改めて上程する、次代を担う子どもの教育をまちぐるみで取り組むための条例案に則り、総がかりで教育の振興を進めることをはじめ、本市の強みであり、ブランド力でもある「子育て先進都市」の実現に向けたまちづくりを引き続き推進し、妊娠期から子育て期まで、ライフステージに応じた支援体制を一層強化してまいります。
本市で生まれ育った子どもたちが将来にわたって住み続けたいと感じ、また、新たな市民の皆様にも「大阪狭山市に住んでよかった」と心から思っていただけるよう、魅力と活力にあふれるまちづくりを推進してまいります。
施策運営に向けて、住みやすさの観点から、都市リメイクによる持続可能なまちづくりを進めてまいります。
金剛駅周辺エリアについては、「大阪狭山市立地適正化計画 魅力ある都市空間ビジョン~まちのリメイク編~」において、市の中心拠点として位置づけるとともに、さらには大阪南部の広域公共交通の核として定め、将来性と広域拠点としての可能性を見据えたまちづくりを進めております。
当エリアは、「大阪のまちづくりグランドデザイン」においても、にぎわいや多様な交流が生まれる空間の創出が示されており、令和7年5月に、『金剛駅前まちづくり宣言』を行った際には、駅前の発展ならびに大阪南部の拠点形成をめざす決意を表明し、本年3月には南海電気鉄道株式会社と富田林市、本市の三者で当エリア周辺の再整備に向けた連携協定を締結する予定です。
本市の都市計画に関する基本的な方針であります「大阪狭山市魅力ある都市空間ビジョン 都市計画マスタープラン」が中間年度を迎えます。その見直しを行うにあたり、金剛駅周辺エリアの取組みをはじめ、近畿大学病院跡地開発等の大規模プロジェクトや公共施設の再配置に関する取組み、道路や上下水道等の公共インフラの老朽化対策等、都市機能の誘導や再編につながる戦略を反映してまいります。
持続可能な都市形成に向けた取組みを着実に進めることで、『まちのリメイク』の実現を図ります。
施策運営に向けて、将来への責任の観点から、公民連携・広域連携・DX推進による持続可能なまちづくりを進めてまいります。
少子高齢化、人口減少の進行に伴い、市税収入の減少や社会保障経費の増大が見込まれるとともに、社会インフラの老朽化や激甚化する自然災害への対応コストも増大しております。
住民に最も身近な基礎自治体として、多様化、複雑化する住民ニーズに的確に応え、持続可能なまちづくりを進めるためには、自治体単独での対応には限界があり、大阪狭山市行財政運営戦略大綱に掲げる方針にあるとおり、公民連携や広域連携をはじめとする行財政運営のさらなる進化が必要不可欠となっております。
大阪府や近隣自治体との共同調達や広域的な取組みを推進し、特に、下水道分野においては、民間のノウハウや技術力を最大限に活用する観点から、これまで包括的民間委託により実施してきた管渠等の維持管理及び更新において、水の官民連携(いわゆる『ウォーターPPP』)を活用した方式に移行すると同時に、全国初の取組みとなる、他自治体と連携した事業の推進を行ってまいります。
加えて、大阪狭山市DX推進方針の見直しにより、令和7年度に進めた自治体情報システムの標準化やマイナンバーカードを活用した実装による『行かない市役所・書かない窓口』の実現をめざすとともに、生成AIやRPAによる業務改革を一体的に推進することで、効率的で持続可能な質の高い行政サービスの提供を図りながら、市民の皆様の利便性の向上を実現してまいります。
それでは、令和8年度に実施いたします主な施策につきまして、第五次大阪狭山市総合計画の施策体系に沿った形で、その概要をご説明申し上げます。
まず、「子どもや若者の未来が輝くまちづくり」に関する施策について、でございます。
先に申し上げたとおり、国が進める「こどもまんなか社会」の実現に向け、本市において子どもや若者への切れ目のない支援等の必要な事項を盛り込んだ『第1期大阪狭山市こども計画』を策定し、子ども・若者・子育て支援施策を総合的かつ一体的に展開してまいります。
幼稚園・こども園の再編・統合等については、令和11年4月からの開設を目途に、市立幼稚園3園と市立こども園を再編及び統合するとともに、育児相談や子育て家庭の交流、子育て講座の実施、情報提供等、子育て支援環境の充実を図るため、老朽化の進む子育て支援センター“ぽっぽえん”と複合化した新施設の整備に取り組んでおり、民間の持つノウハウや技術力、豊富なアイデア等を最大限に活用する視点から、設計から工事、施工監理までを一体的に担う事業者を公募により選定し、取組みを進めてまいります。
乳児等通園支援事業(いわゆる『こども誰でも通園制度』)については、保育所等に通っていない0歳6カ月から3歳未満の子どもが、保護者の就労要件によらず月一定時間まで、保育所等に定期的に通えるよう取組みを行ってまいります。
子どもの社会性や発達を促し、保護者の負担軽減につながる取組みを進めてまいります。
保育所・認定こども園・市立幼稚園等に通園する3歳児から5歳児までの給食費のうち主食費について、国の重点支援地方交付金を活用し、6カ月間、無料にいたします。
小中学校の学校給食費については、令和7年度から年間を通し、完全無償化を実現しており、国制度となった小学校給食費の無償化及び、中学校給食費の無償化を引き続き実施するとともに、給食内容の充実を図ります。
学校施設に関しては、市立狭山中学校においては、生徒数の増加及び国の法改正により、必須となった中学校の35人学級の導入に対応するため、必要な普通教室の確保に係る改修とともに、狭隘な運動場や校舎の老朽化に対応するため、校舎の建替えに向けた取組みを進めてまいります。また、市立南中学校においては、劣化の激しい外壁・庇等の改修工事に向けた調査及び設計を行います。さらに、段階的に規制が進む蛍光灯への対応のため、小中学校の照明器具のLED化を順次進めてまいります。
子どもたちにとって最適な教育環境の整備を推進してまいります。
教育環境や内容の充実に向けては、地域に根差しながら世界的視野を持つ人材、いわゆる『グローカル』な子どもを育むため、引き続き、小学校高学年以上を対象にAIによる音声自動採点機能のある英語学習ツールを活用するとともに、中学校において、生徒一人ひとりの習熟度を丁寧に把握し、学習の定着や教員による指導の効果をより一層高めることを目的に、スコア型英語能力判定テストを実施いたします。
小学校の水泳授業においては、施設の老朽化に伴う維持や管理コストとともに、教員の負担が課題となっていることを踏まえ、インストラクターによる専門的指導により、泳力向上が期待できる民間スイミングスクールを活用した水泳授業を、試行実施している市立西小学校に加え、市立南第三小学校においても導入してまいります。
この間、段階的に進めてきた中学校の部活動の地域展開については、令和8年度は、これまでの「卓球部・サッカー部」に加えて「吹奏楽部」においても実施いたします。
地域とともにある学校づくりである「コミュニティ・スクール」とあわせて、市民総がかりで子どもたちの学び、育ちをサポートしていく仕組みづくりを進めてまいります。
学校図書館については、「第6次学校図書館整備等5か年計画」で示されている図書標準や新聞配備等は達成しているものの、児童生徒が正しい情報に触れ、学ぶことができる環境整備の観点から、引き続き、時代にあった新しい図書に入れ替えを進め、子どもたちの読解力の向上や情報リテラシー教育を進めてまいります。
次に、「健康でいきいきと暮らせるまちづくり」に関する施策について、でございます。
妊娠中は、ホルモンの影響による口腔環境の変化や、つわりによる嗜好変化等によりむし歯や歯周病にかかりやすくなり、早産や低体重児出産の危険性が高まります。妊婦の口腔チェックや保健指導を通じて、口腔環境を整えることで、周産期のリスク低減を図ります。
また、国のRSウイルスワクチンの定期接種化に伴い、妊婦を対象に『RSウイルス母子免疫ワクチン』の接種を実施し、母子免疫の獲得により、新生児や乳児のRSウイルス感染による肺炎等の重症化予防を図ります。
お母さんと生まれてくる赤ちゃんの健康を守る取組みにより、安心して出産し、子育てができる環境づくりを進めてまいります。
40歳以上を対象とする国民健康保険加入者の特定健診については、生活習慣病の予防や早期治療につなげるため、受診した方に、健診結果に基づくアドバイス冊子を送付するとともに、必要な受診勧奨を行います。
また、特定健診を初めて受ける方や、以前の健診から一定期間が経っている方には、『さやりんポイントカード』を進呈いたします。
障がいの有無に関係なく、すべての人にとって暮らしやすい『共生社会』の実現を推進するとともに、障がい福祉サービス・障がい児通所支援サービス等の量的、質的な充実等を図り、障がい福祉分野における包括的な取組みを定める『第3次大阪狭山市障がい者計画、第7期大阪狭山市障がい福祉計画及び第3期大阪狭山市障がい児福祉計画』が令和8年度末をもって計画期間の満了を迎えることから、新たな計画の一体的な策定に取り組んでまいります。
また、高齢者自身が介護予防や健康増進に努めることができるよう支援するとともに、地域全体が力を合わせて見守りや支援を行う「まちぐるみで支援する仕組み」の実現を進めていく、『大阪狭山市高齢者保健福祉計画及び第9期介護保険事業計画』についても、令和8年度末をもって計画期間の満了を迎えることから、地域包括ケアシステムのさらなる深化や推進を図るため、新たな計画の策定に取り組んでまいります。
次に、「自然と調和した活力のある快適なまちづくり」に関する施策について、でございます。
先に申し上げたとおり、本市の都市計画に関する基本的な方針であります『大阪狭山市都市計画マスタープラン』については、計画期間を概ね10年としており、中間年度を迎えます。
社会情勢の変化や、本市の最上位計画であり、改訂した「第五次大阪狭山市総合計画」の後期基本計画等の上位関連計画との整合を図り、近畿大学病院等の跡地開発をはじめ、本市において検討を進めている金剛駅周辺エリアの再生、公共施設再配置計画による取組み等、想定される都市計画手続きを見据え見直しを行います。
道路施設の維持工事や修繕履歴を電子化するシステムを更新し、引き続き、道路の適切な管理を行い、市民サービスの向上と事務の効率化に努めてまいります。
人にやさしい交通環境の実現に向けては、老朽化した道路の舗装や橋梁の長寿命化を計画的に実施してまいります。また、交通渋滞の解消や歩行者の安全確保の取組みでは、府道泉大津美原線の東野交差点の改良をはじめ、府道河内長野美原線の南海高野線ガード下、以北の歩道の確保につきまして、大阪府と連携し、進めてまいります。
西除川に架かる副池オアシス公園通路橋は、架設から50年以上が経過していることから、改修工事に向けた取組みを進めてまいります。
また、市内各公園施設については、誰もが安全で安心して利用していただけるよう、地域や利用者のニーズ、安全性を踏まえ、遊具等を計画的に更新してまいります。
東大池公園については、ニュータウン地区における憩いの場であり、防災用倉庫を有する重要な防災拠点の一つであることから、池周辺の景観を整備することにより、利用者の快適性と安全性を確保するとともに、治水機能の保全及び向上を図りながら、新たな魅力の創出を進めてまいります。
下水道施設の維持管理及び更新について、本市単独で実施してきた民間活力による取組みを発展させ、「ウォーターPPP」による官民連携方式を導入いたします。
既に、河内長野市と本市の2自治体にて共同発注による事業者選定を行ったところで、スケールメリットを生かし、より効率的で効果的な事業の推進を図ります。
低炭素社会の実現に向けて、燃料電池コージェネレーションシステムや蓄電池システム、電気自動車への充電設備等を設置した市民に対し、『さやりんポイント』を付与することで、家庭部門における再生可能エネルギー資源の利活用と住宅の省エネルギー化を促進してまいります。
また、『おおさかさやまプラスチックごみゼロ宣言』に則り、環境負荷の低減と循環型社会の形成をめざし、一層のプラスチックごみの削減に向けて、地域環境から地球環境につながる身近な問題として、市民の皆様と環境意識の高揚を図る取組みを実施いたします。
物価高騰対策については、先に触れた国の重点支援地方交付金を活用し、市民や事業者の皆様の負担軽減を図ります。
まず、市民の皆様の消費生活を広く支援するため、『さやりんポイント』のチャージ額に対しプレミアムポイントを付与する取組みを、令和8年度においても5月から実施いたします。
加えて、65歳以上の高齢者の皆様に「さやりんポイントカード」を進呈いたします。
また、市民の皆様の生活や事業者の皆様の経済活動を支援するため、水道料金の基本料金を4月検針分から9月検針分まで、6カ月間、無料にいたします。
あわせて、市内中小企業等の皆様に対しましては、エネルギー価格の高騰による経営への影響の緩和を図るため、光熱費や燃料費に対する支援金を支給いたします。
さらに、さやりんバスの運行では、急行ルートを除き、1カ月の無料乗車期間を5月と9月の2回設けることにより、利用者の運賃負担の軽減を図るとともに、外出機会の創出による地域経済の活性化やにぎわいづくりとあわせ、バス利用の裾野拡大にもつなげてまいります。
次に、「豊かな心と文化を育むまちづくり」に関する施策について、でございます。
国史跡狭山池の附(つけたり)である『池守田中家旧宅』については、史跡の本質的価値を守りながら、まちの新しい観光資源の一つとなるよう、地域の皆様とともに、その保存と活用に向けた取組みを進めてまいります。
また、『池守田中家』所蔵の史料群等の調査を通じ、狭山池の歴史的価値の解明や地域の歴史文化遺産の次世代への継承をめざし、まちの魅力向上につなげてまいります。
文化・スポーツの振興拠点となる文化会館や各スポーツ施設においては、市民の皆様に、より安全で快適にご利用いただけるよう、施設及び設備の改修等を順次進めてまいります。
今議会に上程する大阪狭山市犯罪被害者等支援条例に基づき、犯罪被害者等への見舞金支給制度を創設し、犯罪及びこれに準ずる心身に有害な影響を及ぼす行為により、ご本人や、ご家族・ご遺族が受けた被害の回復と軽減を図り、市民が安心して暮らすことができる地域社会の実現をめざしてまいります。
次に、「安全で安心できるまちづくり」に関する施策について、でございます。
昨年、国は、南海トラフ地震の今後30年以内の発生確率を公表し、過去の評価から幅を広げ、『60%~90%程度以上』と『20%~50%』の2つの想定を併記するようになりましたが、いずれの数値も高いランクに位置づけられるもので、「いつ起きてもおかしくない」状況に変わりなく、大規模な防災・減災対策が求められています。
大規模災害発生時には公助に限界があることから、自助・共助による事前準備と訓練が不可欠となります。引き続き、自主防災組織への防災資機材の無償貸与をはじめ、訓練活動やリーダーの育成に対する支援を行うとともに、消防団へは、活動の安全性や機動性を確保するための装備品等を整備し、地域における防災力を一層高める取組みを推進してまいります。
昨今の地球温暖化に伴う気候変動の影響によって記録的な猛暑が続く状況を踏まえ、いつどこで起こるか予測ができない災害において、夏季における発災時に停電が起こった場合、避難所内にて、熱中症リスクが高まり、非常に深刻な事態を招くおそれがあります。
また、上下水道管が断裂した場合、断水による避難所の衛生状態の悪化や避難者の健康被害が懸念されています。
避難所の環境改善を図るため、停電時における空調設備用電源の確保や水量が限られた中でも入浴等のための生活用水が確保できるよう環境整備を進めてまいります。
職員の災害対応能力をより一層高めるため、引き続き、災害対策本部組織ごとの訓練に加え、災害対策本部運営訓練を行い、全職員が即座に行動できるよう、「災害に強いまち」の実現に向けて、万全の備えを整えてまいります。
気象庁及び国土交通省において、地域住民等が、より効果的に避難等の行動をとることができるよう、危険度に応じた数字を付記する新たな防災気象情報の運用を開始することから、本市の防災マップを更新するとともに、市民への周知を行います。
市域における防犯環境のさらなる充実強化に向けては、子どもに対する犯罪や街頭犯罪、特殊詐欺等、あらゆる犯罪の抑止効果が認められるほか、リレー形式による迅速な捜査が可能であることから、各小学校区の通学路等を中心に、防犯カメラの設置を進めてまいります。
さらに、防犯カメラを設置する自治会等に対しまして、引き続き、令和8年度を『充実強化期間』と定め、新規の設置に対して補助率の嵩上げを行うことで、地区内における防犯カメラの設置をさらに加速してまいります。
消費生活相談については、年間約400件の相談が寄せられており、電子取引の普及に伴い、相談内容が複雑化・高度化する中、消費生活相談員が、消費生活相談を専門とする弁護士に法解釈等を確認しながら、対応できる体制を強化することにより、様々な相談事例に的確に対応してまいります。
最後に、「施策の推進に向けて」、でございます。
市民参画・協働の推進では、各中学校区におけるまちづくり円卓会議の主体的な取組みや、自治会等が実施する地域活動への支援に引き続き取り組んでまいります。
市民協働によるまちづくりを進めていく上で、地域に根付いた活動を行っている皆様のまちづくりに対する想いを直に触れる取組みを通じて、地域活動や市民活動における課題について、職員自らも自分事として捉える機会にもつながるよう、引き続き、若手職員を中心に職員研修を実施します。
昨年は、春に『狭山池まつり』や、『桜まつり~春~』、夏には、狭山池を彩る花火大会『サマーブロッサムナイト』、秋は『狭山池秋の大遊祭』、そして、冬に『桜まつり~冬~大阪狭山イルミネーション』が実施され、狭山池にて春夏秋冬の季節ごとに大規模イベントが開催されました。
狭山池を拠点に、市民、地域団体、事業者、学生等との連携・協力のもと各種実行委員会によって開催される様々な催しに、市内外から多くの方が訪れ、盛り上がりを見せております。
令和8年8月1日の花火大会『サマーブロッサムナイト』では、その開催に合わせて、大阪府立狭山池博物館の開館25周年記念事業が企画されております。
本市内における記念すべき節目を契機とする取組みとともに、来年、令和9年は、市制施行40周年を迎える年であることから、その機運醸成を通じて、市民の皆様のシビックプライドの向上を図ります。
狭山ニュータウン地区の活性化に向けては、地域の住民や地域活動団体の皆様による、主体的かつ自律的なにぎわい形成等に引き続き取り組んでいただけるよう、「狭山ニュータウンの未来を育むプロジェクト」を支援してまいります。
これまで協働等の取組みにより、エリアマネジメント等の多彩な手法が導入され、新たなにぎわいの創出につながっております。
引き続き、市民協働・公民連携を一層推進し、市政全般への展開を図ることで、恒常的なにぎわいづくりと本市の魅力向上を図ります。
議会におかれましては、『開かれた議会』をめざし、議会審議のユーチューブによる生中継等を実施しておられますが、本会議場の音響設備が著しく老朽化していることから、更新するとともに、議場内に大型モニターを設置することで視覚的なわかりやすさにつながる取組みを進めます。
市民の皆様にご覧いただく環境の改善を図り、市民の議会への参加を促してまいります。
人口減少・少子高齢化や、働き方改革、デジタル技術の進展など、刻一刻と移り行く社会情勢や市民のライフスタイルの多様化によって、行政サービスに求められる内容や水準は大きく変化しています。
引き続き、大阪狭山市行財政運営戦略プラン2025に則り、限りある経営資源「ヒト・モノ・カネ・トキ」を最大限に活用しながら、最少の経費で最大の効果をあげる簡素で効率的な行財政運営に取り組んでまいります。
公共施設マネジメントの推進では、今熊地区周辺エリアにおける複合施設等整備のプロジェクトについて、参加表明のあった全ての事業者が辞退したことを受け、本事業を中止することなく進行させるため、公募内容の見直しを行い、再公募を実施いたしました。
地域の活性化や魅力向上をめざし、民間の持つノウハウや技術力、豊富なアイデア等を最大限に活用できるよう、設計から工事、施工監理までを一体的に担う事業者を選定し、当初の想定どおりの竣工を目途に事業を進めてまいります。
大阪狭山市DX推進方針の見直しを進め、さらなる市民サービスの向上に資する、『行かない市役所・書かない窓口』の拡充に向けた取組みを検討してまいります。
また、生成AIやRPAといったテクノロジーの利用範囲を拡大するとともに、これらの技術をより効果的に活用できるデジタル人材の育成を進め、事務の効率化を図りつつ、職員がより自発的かつ柔軟に働ける環境づくりをめざした、本市における働き方改革にも取り組んでまいります。
あわせて、セキュリティマネジメントの一環として、インシデント発生時の対応力を一層強化するため、計画的な研修や訓練等を実施してまいります。
職員一人ひとりが高い意欲とやりがいを持ちながら成長し、“個”の成長を組織の成長へとつなげ、組織全体の活性化を図るため、エンゲージメントの度合いや組織状態の可視化に取り組み、その分析結果を基に、改善を目的とした具体的なアクションプランを継続的に実行することで、「働き続けたい」と思える魅力ある職場づくりを進めてまいります。
以上、令和8年度に取り組みます、主な施策の概要につきまして、ご説明申し上げました。
私の任期も早いもので、残り1年余りとなりました。
今期中におきましては、大阪狭山市のまち全体の『リメイク』の実現をめざし、「生活安心」「住みやすさ」「将来への責任」の三つの政策課題を柱に取りまとめた「第三期まちづくり重点施策」によるまちづくりに、粉骨砕身、邁進してまいりました。
この間の取組みにつきましては、「生活安心」におきましては、令和6年4月に「こども家庭センター」を設置し、母子保健と児童福祉双方の知識を持つ相談員を配置したことによる相談体制及び児童虐待対応体制の強化や、夜間や休日にも気軽に育児等の相談ができるオンライン相談体制の整備など、次代を担う子どもたちの心豊かな成長を支える取組みを進めました。
また、近畿大学病院等跡地における医療機能の確保とともに、さやりんおでかけサポートによる高齢者の外出支援や、身体的フレイル・口腔フレイル予防教室の開催などをはじめとする、地域包括ケアシステムの推進や重層的支援体制の充実に取り組んでまいりました。
「住みやすさ」におきましては、小中学校給食費の完全無償化をはじめ、コミュニティ・スクールの導入や、小中学校10校全ての体育館に大風量スポットエアコンを設置するなど、子どもの健やかな育ちに向けた環境整備を行いました。
また、大阪狭山市立地適正化計画を策定し、コンパクトで持続可能なまちづくりの方向性を明確化するとともに、近畿大学病院等の跡地開発への取組みや、さやりんバスの北野田駅前や美原区役所前への接続を実現し、移転後の近畿大学病院につながる泉ヶ丘ルートの急行便を創設しました。
さらに、地域資源の活用による、大阪狭山クラフトビール「さやま日和」や大野ぶどうワインを開発するなど、活力やにぎわいのあるまちづくりに取り組んでまいりました。
「将来への責任」におきましては、市長の退職手当や給与のカットを実行したほか、持続可能な行財政基盤を構築するため大阪狭山市行財政運営戦略大綱を策定し、大阪狭山市行財政運営戦略プラン2025に基づき、効率的かつ効果的な行財政運営に資する取組みを進めました。
また、自治体情報システム標準化への移行とともに、オンラインでの出生届等の申請を導入するなど、市役所のDX化に取り組んでまいりました。
こうした取組みの成果は、確かな形となって現れており、令和6年度は転入超過となったとともに、同年度に実施した市民アンケートにおいて、住みよさの評価に「非常に住みよい」もしくは「住みよい」と答えた方の合計の割合が、令和元年度調査よりも増加しており、特に「非常に住みよい」が大幅に増えております。同じく定住意向調査においても、「現在の場所に住み続けたい」と回答した方の割合が増加いたしました。
こうした重点施策の着実な取組みが、市民の皆様の実感として表れてきた結果と受け止めております。
重点施策の残る課題としては、次代を担う子どもの教育をまちぐるみで取り組むための条例案とともに、犯罪被害者等支援条例案を今議会に上程しており、また、『行かない市役所・書かない窓口』をめざしたさらなるDXの推進や、今熊地区周辺エリアにおける複合施設等整備につきましては、今回の予算案に盛り込んだところで、施策の大部分が着実に進捗し、目標達成の見通しが立ちました。
これもひとえに、市民の皆様ならびに市議会議員の皆様のご理解とご支援、職員のたゆまぬ努力によるものであると、改めて、皆様に感謝を申し上げます。
こうした成果に決して慢心することなく、残りの任期を全力で邁進してまいります。
その先には市制施行40周年という記念すべき節目の年が控えております。数々の大規模プロジェクトが同時に進められており、本市のまちの将来を左右する大きな岐路に立っています。時代の変化に応じて、変えるべきものは果敢に変革していく、この視点をもって着実に進んでいくことが重要であります。
本年は『芽が伸び、葉を広げ、飛躍的に成長する年』と言われておりますとおり、未来への確かな成長に向け、しっかりと芽を伸ばし、葉を広げ、根を深く、揺るがないまちづくりに注力すべき、まさに正念場であります。
新たな夏の風物詩になりつつある、狭山池の夜空を彩る花火のように、この先の節目を輝かしく迎えるためにも、持続可能な発展への礎を盤石なものとし、みんなの笑顔を未来へつなぎ、一人ひとりが心身ともに健やかで、幸せを実感できるウェルビーイングなまちの実現をめざしてまいります。
私自身が先頭に立ち、職員一丸となって、本市の底力を存分に発揮してまいります。
市民の皆様をはじめ、市議会議員の皆様のより一層のご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げ、令和8年度の施政運営方針といたします。
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更新日:2026年02月26日