池守田中家が国史跡狭山池に追加指定されました

更新日:2024年02月22日

国史跡狭山池 附 池守田中家旧宅

池守田中家

    史跡狭山池の関連文化財「池守田中家旧宅」が史跡狭山池に追加指定されました。名称は、「狭山池 附 池守田中家旧宅」となります。
   狭山池は、大阪府南部、大阪狭山市の中央部に位置し、今から1400年前の飛鳥時代に築造された現存する日本最古のかんがい用の溜め池です。
   南河内の平野を潤すことを目的に、丘陵間の水の流れる谷を堰き止め築造されました。1400年もの間、大小の改修を繰り返し、現在もかんがい用水を供給し続ける狭山池は、平成27年(2015)3月10日、わが国古代以来の土木技術を理解する上で重要であり、現在も利用が継続している貴重な事例として、国の史跡に指定されました。
   また、狭山池の史跡指定に先立ち、平成の改修に伴う文化財調査で出土した狭山池出土木樋(飛鳥時代・奈良時代の下層東樋、江戸時代の上層東樋・中樋・西樋)、重源狭山池改修碑は、平成26年(2014)8月21日、重要文化財の指定を受けています。
   江戸時代を通して狭山池の管理運営にかかわってきた家が、池守田中家です。江戸時代の古文書に「重要な文書の原本は、池守宅で保管する事」との取り決めがあったように、池守田中家は江戸時代に、狭山池と関係する情報(史料)を収集し、保管・継承してきました。
   「池守田中家旧宅」には、狭山池の池守としての活動を支えた居宅と、往時を偲ぶことができる空間が残ります。主屋は発掘調査や史料調査によって、18世紀前半の建築当初から大きく位置を変えることなく利用されてきたことがわかりました。
家としての田中家は、「狭山池池守・池尻村庄屋・狭山藩代官」という側面をもっていたため、主屋は公用の増加にともない、接客機能を高めるための改築や、生活空間を補う増築がおこなわれています。
   池守田中家旧宅は、史跡狭山池の歴史的価値と文化的価値の理解と証明になくてはならない文化財として、国史跡狭山池に附(つけたり)として追加指定されました。


附(つけたり)について
  「附」「附指定」は、文化財を指定する際に、文化財本体に関連する物品や資料などを、本体とあわせて文化財指定する制度です。今回、池守田中家旧宅は、史跡狭山池に追加で「附指定」を受けました。

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