令和4年度施政運営方針
令和4年2月28日に再開した大阪狭山市議会定例会3月定例月議会初日で発表した施政運営方針の要旨です。
施政運営の基本方針
令和4年度の施政運営に関する基本的な考え方と各会計予算に盛り込みました主な施策の概要につきまして、ご説明を申し上げます。
一度は、落ち着くかに見えた新型コロナウイルスの感染状況ではありましたが、感染力が極めて高い、新たな変異株「オミクロン株」による感染が急拡大を見せるなど、コロナの収束の目途は立たない状況にございます。
まずは、感染された方やそのご家族、関係者の皆様、感染拡大により苦しんでおられるすべての皆様に心よりお見舞いを申し上げます。
また、今日に至るまで、生活の根幹を支える医療や介護、福祉などの現場で、感染リスクと対峙しながら、強い使命感と高い志をもって従事されておられる方々の献身的な支えや、日々の暮らしになくてはならない業務に携わっておられる方々の諸活動に対し、改めて、敬意と感謝の意を表します。
市民の皆様には、引き続き、「マスクの着用」、「こまめな換気と手指の消毒」、「3密の回避」など、感染防止対策の徹底にご理解とご協力をお願い申し上げます。
令和2年1月に国内で初めて、新型コロナウイルスの感染例が報告されて以来、早2年の歳月が経過しました。この間、幾度となく、感染拡大の波にさらされ、緊急事態宣言やまん延防止等重点措置に基づく要請など、各種の感染拡大防止策が講じられてまいりました。
コロナ克服の切り札として進めてまいりました、新型コロナウイルスのワクチン接種は、12歳以上の約8割を超える市民の皆様に2回目の接種を終えていただきました。目下、高齢者を中心に3回目の接種を進めているところでありますが、去る2月16日からは、接種対象を「2回目の接種から6か月以上経過した18歳以上の人」とし、接種の前倒しを図っているところであります。
コロナの完全収束への道のりは、今なお、先を見通せず、本市にとりましても、コロナ対策は、喫緊かつ最優先の課題であります。引き続き、ワクチン接種の円滑な推進をはじめ、各種のコロナ対策に総力を挙げて取り組んでまいります。
≪施政運営の基本的な考え方1. コロナ対策≫
昨年は、ワクチン接種を円滑かつ安心して受けていただけるよう、ワクチン接種体制の強化とあわせ、オンライン予約に不慣れな方々へのサポートや、接種会場でのきめ細やかな案内・対応など、安全で安心な接種環境の充実にも注力してまいりました。
現在では、保健センターでの集団接種のほか、市内の各医療機関にもご協力をいただきながら、かかりつけ医による接種を含む個別接種体制の充実も図られており、加えて、国や都道府県が実施する大規模接種や、職域による接種など、市民の皆様のニーズに沿ったワクチン接種が可能となっています。
また、5月の大型連休や年末年始における休日診療体制の充実をはじめ、自宅療養者への生活支援や、コロナ禍で不安を抱えておられる方々に対し、特に、女性に焦点をあてた相談体制の強化など、市民の皆様に寄り添った取組みを幾重にも重ねてまいりました。
さらに、感染拡大の影響により落ち込んだ市内の消費を喚起しつつ、感染リスクを低減させる「新しい生活様式」の実践を後押しするため、非接触型の「キャッシュレス決済ポイント還元事業」を実施するとともに、コロナ禍により深刻な影響を被っている事業者を対象に、感染防止対策の強化の取組みを支援する事業をはじめ、国や大阪府による事業継続のための支援策とも連携しつつ、なおも支援が必要な事業者の皆様には、市独自による重層的な支援策を講じてまいりました。
昨年末には、子育て世帯への臨時特別給付金の一括10万円給付の早期実施や、住民税非課税世帯等に対する臨時特別給付金など、真に支援が必要な方々に焦点をあて、迅速に支援を行う体制を確立することができました。この間、追加の補正予算を幾度となくご提案申し上げ、緊急に議会を開いていただくことも数多くあり、その都度、市議会議員の皆様におかれましては、真摯に議論を尽くし、迅速に各予算をご承認いただきましたことに対しまして、改めて、お礼を申し上げる次第であります。
令和4年度におきましても、コロナとの共存を念頭に、引き続き、市民の皆様の命と健康を守り、安全で安心な市民生活の確保を最優先の課題と捉え、円滑なワクチン接種の推進をはじめ、感染防止対策の徹底や、感染拡大の影響により厳しい状況にある方々の生活や暮らし、事業活動への支援とともに、子育て世帯の経済的負担の軽減を図るため、学校給食費の無償化の段階的な実施も視野に入れた検討を進めるなど、市民ニーズを的確に捉え、臨機にスピード感をもって取り組んでまいりますので、皆様のご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。
≪施政運営の基本的な考え方2. 持続可能なまちづくり≫
さて、我が国は世界に先駆け、超高齢社会を迎えております。特に、令和4年からは、団塊の世代が後期高齢者になり始めるなど、高齢化が加速してまいります。さらに、少子化の波に歯止めが掛からず、社会経済情勢は、今後ますます厳しい局面を迎えることが予想されます。
我が国の出生数が、令和元年に初めて90万人を割り込み、「86万人ショック」とも呼ばれたことは、まだ記憶に新しいところでありますが、令和2年には84万人余りとなり、令和3年は、さらにそれを下回るとも言われています。
こうした状況を踏まえますと、行政として、果たすべき役割を的確に捉えつつ、行政サービスを安定的に提供し続けるためにも、持続可能で強固な行財政基盤の構築が急務であることは言うまでもありません。そのため、本市では、令和2年度から、「行財政改革推進プラン2020)」に基づく改革に取り組み、広域連携の推進や民間活力の活用等を図りながら、市民サービスの向上とともに、健全な財政運営に努めてまいりました。そうした結果、令和2年度の一般会計決算は、財政調整基金を取り崩すことなく、実質収支、単年度収支ともに黒字を確保することができました。令和3年度におきましても、黒字の収支を確保できる見通しであります。
このように、財政収支に一定の改善の兆しが見え始めたことは、行財政改革の取組みが一歩ずつではありますが、着実に実を結んでいるものと認識しております。しかしながら、今後も増加が見込まれる社会保障関係経費をはじめ、公共施設の老朽化対策などの将来負担や、先行きが不透明なコロナ禍への対応を踏まえますと、決して、楽観できる状況にはありません。
補正予算を含め、令和4年度の予算案におきましては、行財政改革の推進による健全な財政運営を基本に、直面する感染症への対応を含む、安全で安心なまちづくりの推進と、子育て施策や教育環境のさらなる充実、まちの魅力やにぎわいの創出など、コロナ後の新しい社会の到来も見据えた、いわば「未来への投資」にも力を注いでおります。
「コロナ対策」と「社会経済活動」の両立という難しい舵取りが求められるところではありますが、「今、求められているもの」と、「今後、求められるもの」を的確に捉えながら、私が先頭に立ち、明るい未来へつなげていけるよう、しっかりと市政を運営していく覚悟であります。
≪施政運営の基本的な考え方3. 子育て先進都市をめざすまちづくり≫
昨年末、令和2年国勢調査における人口の確定値が総務省から公表されました。国全体では人口減少が進んでおりますが、本市では、これまでも申し述べてまいりましたとおり、近年は人口水準を維持しております。このことを裏付けるように、国勢調査の確定値は58,435人と、平成27年の前回調査から643人増加する結果となりました。平成22年調査から平成27年調査にかけては、435人の減少となっておりましたので、今回の調査により、増加に転じることとなり、いわばV字回復を果たす結果となりました。府内における人口増加率の上位には、大阪市や北摂地域の自治体が占めるなか、本市もその中に含まれております。
こうした結果は、決して一朝一夕で成し得るものではありません。
本市では、「大阪狭山市総合戦略」を平成27年度に策定し、以来、現在の第2期総合戦略に至るまで、地方創生を成し遂げるための施策を推進してまいりました。
特に、若い世代が安心して出産・子育てができるまちをめざし、助産師等による妊婦への個別相談をはじめ、「プレママ・プレパパほっとカフェ」による交流の場づくりや、妊産婦タクシーチケットの配布、産後ケア事業の展開など、産前産後におけるさまざまなサポートの充実を図ってまいりました。
また、子育て支援拠点である「ぽっぽえん」や「UPっぷ」では、子育て情報や交流の場の提供、各種の講座の実施に加え、個別のニーズに沿った各種の子育て支援サービスとのマッチングなど、きめの細やかな支援ができるよう体制を整えてまいりました。
さらには、子育て世帯の負担を軽減する取組みとして、特に、子ども医療費助成制度においては、対象年齢を18歳まで拡充するとともに、世帯合算制度を新たに設け、支援の充実を図ってまいりました。
今申し上げた取組みは、ごく一部の例ではありますが、これら子育て先進都市をめざす本市の諸施策をはじめ、何より、常日頃からまちづくりに並々ならぬご尽力をいただいております、市民や事業者等の皆様のさまざまな諸活動も含め、多様な主体がまちの魅力づくりや課題解決に力を合わせながら、ともに取り組んできた、そのたゆみない努力の積み重ねこそが、今回の人口増加に転じた原動力であると私は確信しております。
令和4年度におきましても、こうした取組みを継続しつつ、後程申し上げます新たな施策にも果敢に取り組んでまいります。
今回の国勢調査の結果を励みに、子育て先進都市をめざすまちづくりは、本市の最優先の施策の一つとして、さらなる高みをめざしてまいります。
≪施政運営の基本的な考え方4. 協働と連携によるまちづくり≫
国立社会保障・人口問題研究所が示す、本市の将来推計人口の最新値は示されておりませんが、今回の国勢調査の結果を以てしても、中長期的視点に立てば、いずれ人口減少の局面を迎えることは避けて通れないと認識しております。今後も「選ばれる自治体」であり続けるためには、現状に甘んじず、先見性をもって、戦略的にまちづくりを進めていかねばなりません。
そのため、固定概念に捉われず、協働と連携によるまちづくりをさらに深化させることが大変重要であると考えています。こうした認識に立ち、これからの時代の新たな行政手法として注目されている、「公民連携」によるまちづくりを令和3年度から本格始動いたしました。
本市ではこれまで、大学を含む7者の事業者等と包括連携協定を締結してまいりました。これらの協定をもとに、市政情報の発信やPR、ふるさと応援寄附金の返礼品の提供、健康増進に向けた啓発活動、移動販売車(いわゆる「キッチンカー」)出店の実証実験など、幅広い分野において、さまざまな連携が進んでいます。
今後とも、市民と行政との協働はもちろん、事業者と行政、事業者と市民など、マルチパートナーシップ(多様な主体の連携)を通じて、より一層多様化・複雑化するまちの課題の解決をめざし、市民が、事業者が、そして行政が、ともに「Win-Win-Win」となる「三方よし」のまちづくりを進めてまいります。
さて、先にも申し上げましたとおり、今回の国勢調査では、本市は人口増加となりましたが、他方で、南河内地域におきましては、本市を除くすべての自治体が、前回調査に引き続き、人口減少となる結果になりました。さらに、南河内地域の人口減少率が府内地域で一番大きかったという結果には、強い危機感を抱かずにはいられません。このことは、地域全体の活力低下にもつながりかねない、憂慮すべき事態であると認識しています。広い視野で地域を俯瞰し、自治体同士が連携しつつ、ともに成長を遂げていくことが、今後ますます重要であるとの思いをなお一層強くいたしております。
本市ではこれまでも、環境衛生や観光、福祉やまちづくり、公害規制分野など、さまざまな行政分野において、南河内地域の市町村と連携したまちづくりを進めてまいりました。その代表的な取組みの一つに、南河内3市2町1村の枠組みによる事務の共同処理がございます。その象徴ともいえる「南河内広域事務室」が南河内府民センタービル内に共同設置され、早10年が経過いたしました。これを節目に、これまでの取組みの成果を踏まえたうえで、取り巻く環境の変化にも柔軟に対応できる体制づくりにも注力しながら、南河内地域のなお一層の発展に向け、連携を深めてまいりたいと考えています。
そのほか、各行政課題に応じ、その特性や対策の効果等を踏まえたうえで、南河内地域を越えた広域連携にも鋭意取り組んでまいりました。特に堺市とは、念願であった「図書館の相互利用」を令和2年11月から開始するとともに、令和3年4月から消防事務の広域化が実現するなど、連携が大きく進展いたしました。令和4年度におきましては、本市循環バスのルート見直しを予定しており、堺市への乗り入れも可能となるよう、現在、堺市を含む関係各所と詰めの協議を進めているところであります。市域を越えたルートは、コミュニティバスとしては大変めずらしく、先進的な取組みとなります。市民の交通利便性の向上はもとより、市域を越えたにぎわい創出の契機となることを大いに期待するものであります。
重ねて、より広域にわたる連携にも積極的に取り組んでまいりました。水道事業におきましては、令和3年4月から大阪広域水道企業団と統合し、将来にわたり安全で安心な水道水を安定的にお届けできる体制を確立いたしました。
また、今後ますます進展していくデジタル社会へ対応するため、大阪府と府内全市町村が情報システム・ネットワーク分野で連携・協働を図ることを目的に設立された「大阪市町村スマートシティ推進連絡会議(GovTech(ガブテック)大阪)」の枠組みにより、府内の自治体とシステムの共同調達にも取り組みました。
さらに、大阪府が民間企業とともに公民一体の事業体を組織し、シニア層やその家族をターゲットに、ICTを活用した「高齢者にやさしいまちづくり」をめざす「大阪スマートシニアライフ実証事業」の展開にあたり、本市も大阪府と連携し、その実証事業の先行エリアとして、狭山ニュータウン地区が名乗りをあげています。先行エリアには、本市のほか、泉北ニュータウンをはじめとする堺市南区と、河内長野市南花台地区が指定されており、今後は、府内の他の地域にも実証エリアが広げられるとのことでありますので、これを足掛かりに、高齢化が進むニュータウンを有する近隣自治体との面的な連携はもとより、府内の各自治体とも連携を深める契機にしてまいりたいと考えております。
今後とも、「みんなでつくる おおさかさやま」を合言葉に、多様な主体と力をあわせ、協働と連携によるまちづくりを進めてまいります。
≪施政運営の基本的な考え方5. 新たなスタートを切る年に≫
今般のコロナ禍により、我が国の経済は、リーマンショック時を超え、戦後最大の落ち込みとなり、その後、持ち直しの動きはあるものの、依然として厳しい状況にあります。感染リスクをできる限り引き下げながら、コロナとの共存を念頭に、社会経済活動を日常に戻す取組みが求められるところであります。
折しも、令和4年は、昭和62年10月1日の市制施行から35年という節目の年となります。本年をウィズコロナに適応したあらゆる活動の再開の年と位置づけ、市民や事業者の皆様とともに、地域に活力とにぎわいを取り戻すための新たなスタートを切る年にしてまいりたいと考えております。
本年4月、副池オアシス公園のリニューアルとあわせ、エントランスエリアにおいて、コメダ珈琲店がグランドオープンする予定であります。
平成31年を最後に開催が見送られてきました「狭山池まつり」は、今後の新型コロナウイルスの感染状況を踏まえてにはなりますが、この春の再開に向けた準備を進めておられます。
これら狭山池周辺における今春のにぎわいを、記念すべき1年のキックオフと位置づけ、年間を通して、市民、各種団体、事業者、そして本市がともに連携・協力し、市民活動や事業活動などの再開に向けた取組みに焦点をあて、再びスタートを切るための機運を高めてまいります。
また、令和4年度は、各種の新たな計画に沿って、さまざまな取組みをスタートさせてまいります。
市の都市計画に関する基本的な方針であります「都市計画マスタープラン」につきましては、新たに、「魅力ある都市空間ビジョン」としてお示しいたします。本ビジョンをもとに、都市課題に対応できる「空間形成」の視点に立ち、ソフト・ハードの両面で、総合的かつ戦略的にまちづくりを進めてまいります。
狭山ニュータウン地区の活性化に向けては、今般策定いたしました「狭山ニュータウン地区再生推進計画」に沿って、取組みを着実に推進してまいります。平成31年の「狭山ニュータウン地区活性化指針」策定後、特に、帝塚山学院大学狭山キャンパスの移転後の物件所有者の確定や、近畿大学病院等の移転時期の延期など、同地区を取り巻く環境も大きく変化しております。この間、跡地全体の活用に係る近畿大学との勉強会の立ち上げをはじめ、企業ヒアリングの実施や、移転後の連携も見据え、近畿大学と「移転後のまちづくりに関すること」を含む、多岐にわたる分野での包括連携協定の締結などに取り組むとともに、新たに、同地区の再生を議論する枠組みとして、近畿大学をはじめ、南海電気鉄道株式会社、南海バス株式会社、大阪第一交通株式会社の参画も得て、公民連携を具体化した「狭山ニュータウン地区再生連絡協議会」を組織し、本再生推進計画に係る議論を重ねてまいりました。
両大学の移転は、本市にとりまして、最重要課題の一つでありますので、本市として望ましい土地利用も視野に入れながら、同地区の再生を推進してまいります。特に、近畿大学病院等の移転後の跡地全体活用については、取組みを加速させてまいりたいと考えております。
生涯学習の推進に向けては、誰もが学び、ふれあい、交流できる機会をつくり、さまざまな人と人がつながり、支え合えるまちをともに創ることをめざし、新たに策定いたします「生涯学習推進計画」に基づき、SDGsの視点や人生100年時代を見据えた生涯学習の取組みを進めてまいります。
人権尊重社会の確立に向けては、新たな「人権行政基本方針」に基づき、すべての人が「自分らしさ」を存分に発揮できる環境づくりを多面的に推し進め、豊かな心を育み、お互いを思いやるやさしさにあふれるまちの実現をめざしてまいります。
防災対策の強化に向けては、近年の大規模災害における教訓等も踏まえ改訂いたします「地域防災計画」に基づき、本市の防災対策をさらに充実させてまいります。
これら新たな計画に沿って、各分野のまちづくりを着実に前へ進めてまいります。
それでは、第五次総合計画の施策体系に沿った形で、令和4年度の主な施策の概要を申し上げます。
まず、「子どもや若者の未来が輝くまちづくり」に関する施策についてでございます。
安心して子どもを産み育てられる環境づくりでは、乳幼児健診やママパパ教室等につきまして、必要な感染予防策が十分に図れるよう、人との接触を最小限にしながら開催回数を増やし、さらに、育児に必要なグッズを集めた「育児パッケージ」につきましても、感染防止に役立つ物品を充実させて配布するなど、コロナ禍での育児を支援してまいります。
産後ケア事業につきましては、現在、産科医療機関において、ショートステイやデイサービスを実施しておりますが、支援を必要とする方に着実に手を差し伸べることができるよう、助産師による居宅訪問(アウトリーチによる支援)を新たな選択肢に加え、出産後の安心した子育てをより一層支援してまいります。
子どもの健やかな成長を支える取組みでは、幼児期における弱視や目の異常を早期に発見し治療を行うことで、その後の視力の回復が期待できることから、3歳6か月児健康診査において実施しております従来の視力検査に加え、新たに屈折検査を導入いたします。
子ども医療費助成につきましては、引き続き、対象年齢を18歳までとし、子育て世帯の負担の軽減を図ってまいります。
女性の社会参加や多様な働き方が進むなか、保育ニーズが高まりを見せております。保育の受入体制のさらなる充実・強化を図るため、(仮称)半田保育園の開設に向け、必要となる費用の一部を補助いたします。
コロナ禍により、学校、家庭での学びのあり方や、児童・生徒、教員を取り巻く環境が大きく変化しています。
とりわけ、GIGAスクール構想におきましては、児童・生徒一人一台のタブレット端末を用いた学習が進んでおりますので、学校内外における端末のより効果的な活用を図りながら、ICT教育の充実をめざしてまいります。
「ヤングケアラー」、「生理の貧困」など、コロナ禍では、新たな課題も浮き彫りになりました。児童や生徒、保護者の方々の心にしっかりと寄り添えるよう、スクール・ソーシャル・ワーカーの配置を強化し、相談体制を充実してまいります。
教員が学習指導等に一層注力できるよう、消毒などの感染防止策を含む補助的業務を担う「スクール・サポート・スタッフ」を引き続き配置することで、教員の負担の軽減を図ってまいります。
修学旅行への支援では、「3密」を避けるためのバスの増便への対応や、緊急事態宣言の発出等により修学旅行が中止となった際には、保護者が負担すべきキャンセル料を市が負担いたします。
その他、コロナ禍での学校における教育活動を継続していくため、感染拡大防止に必要な物品の充実を図ってまいります。
学ぶ力を育む教育の推進では、令和3年度から試行実施しております、国語の「読む力」を測る「リーディングスキルテスト」につきまして、授業改善や家庭学習習慣の定着に向けた取組みの効果が経年で検証できるよう、令和4年度におきましても試行を重ね、学校図書につきましても、引き続き充実を図るなど、児童・生徒の国語力の向上をめざす取組みを進めてまいります。
社会全体で子どもの育ちを支える取組みとして、順次導入を進めております「学校運営協議会(コミュニティ・スクール)」につきましては、既に導入済みの南第一小学校に加え、新たに、北小学校及び西小学校への導入を図るとともに、地域と学校をつなぐ役割を担う「地域学校協働活動推進員」の配置とあわせ、地域学校協働活動のさらなる充実をめざします。
学校園の適正規模・適正配置に関する検討では、先般、「これからの学校園のあり方検討委員会」より、市立幼稚園及び狭山中学校区の小中学校への対応についての意見が示されました。令和4年度におきましても、同委員会を中心に、より良い学校園のあり方についての議論を深め、今後の答申の内容も踏まえつつ、基本方針を策定してまいります。
教育環境の整備・充実では、同委員会の意見も踏まえ、段階的な35人学級への円滑な移行を図るため、今後、普通教室の不足が見込まれる東小学校及び北小学校におきまして、令和4年度中の改修工事をはじめ、令和5年度の増築に向けた設計に着手するなど、教室の確保に努めてまいります。
次に、「健康でいきいきと暮らせるまちづくり」に関する施策についてでございます。
まず、コロナ対策でございます。ワクチン接種につきましては、3回目接種の前倒しのペースアップや12歳未満の子どもへの接種など、国の方針が矢継ぎ早に示されております。時々刻々と変化する状況を的確に捉え、引き続き、国の動向を注視しながら、ワクチン接種の円滑な推進とともに、接種対象年齢の拡大に対応してまいります。
介護を必要とする方が感染者や濃厚接触者となった際の介護事業所への支援や、感染により自宅療養や自宅待機が必要となった市民に対しましては、引き続き、食料品や生活用品、衛生用品等を提供するなどの生活支援を行ってまいります。
また、5月の大型連休や年末年始における「発熱外来」を令和4年度も実施し、休日診療体制の充実・強化を図ります。
健康づくりの推進では、40歳以上の国民健康保険加入者を対象とした「特定健診」におきまして、自身の健康管理についての知識を深め、継続受診の重要性を認識していただくきっかけづくりとして、受診いただいた方へは、過去3年分の健診結果に基づいたアドバイス冊子とギフトカードを新たに進呈し、受診率のさらなる向上につなげてまいります。
また、「特定保健指導」では、アプリによる運動コンテンツを利用した運動支援や指導のほか、オンラインにて面接を受けていただける環境を整え、利用率の向上を図ってまいります。
さらに、「特定健診」の対象前となる30歳代の国民健康保険加入者には、希望に応じて、郵送による血液検査キットをお送りし、自宅でも検査が受けられる機会を新たに設けることで、若年期からの健康意識を高め、生活習慣病などの発症の未然防止にもつなげてまいります。
骨髄移植を必要とする患者さんを救うため、市民の皆様には、一人でも多く「骨髄バンク」に登録していただけるよう、骨髄移植ドナーとなった際に助成金を支給する制度を新たに創設し、骨髄等を提供しやすい環境を整えてまいります。
高齢者が安心して地域で暮らすことができるまちづくりでは、介護予防により、高齢者の生活課題の解消をめざすため、リハビリテーション専門職による、「運動」・「栄養」・「口腔」に焦点をあてたプログラムを短期・集中的に取り組もうとする事業者に対し、スタートアップ支援を行ってまいります。
認知症などにより判断能力が十分でない人を支援する「成年後見制度」を円滑に利用いただけるよう、「権利擁護センター」に専門相談員を配置し、窓口機能の強化を図ってまいります。
介護保険制度の円滑かつ適正な運用を含む、高齢者福祉施策の計画的な推進に向け、令和6年度から3か年を計画期間とする、「第9期高齢者保健福祉計画及び介護保険事業計画」の策定に着手いたします。
次に、「自然と調和した活力のある快適なまちづくり」に関する施策についてでございます。
まず、魅力あるまちづくりの推進では、水とみどりのネットワーク構想に基づくにぎわいづくりを次のステージへと展開してまいります。
狭山池周辺の重点アクションエリアでは、副池オアシス公園のリニューアルと、コメダ珈琲店のグランドオープンを契機に、にぎわいの創出を加速してまいります。狭山池公園ならびに副池オアシス公園では、旧西新町公園エリアへのトイレの新設や、既存トイレの洋式化、手洗いの自動水栓化などのトイレ設備の充実をはじめ、公園内施設の整備・改修を進めるとともに、狭山池ダム管理事務所には、情報発信や周辺の活性化に資する新たな拠点を整備するなど、訪れる方々を受け入れる環境の充実にも取り組んでまいります。
この間、キッチンカーの出店にかかる実証実験を行ってまいりましたが、にぎわいづくりや屋外空間の活用にも一定の効果があるという検証結果が得られたことを踏まえ、令和4年度においては、キッチンカー事業を継続できる仕組みづくりに取り組んでまいります。
キッチンカーなどの移動販売に取り組もうとする事業者に対しましては、設備導入等への補助制度を新たに創設し、コロナ禍での創業を後押しすることで、産業の振興によるにぎわいの創出を図ってまいります。
本市のまちづくりは、常に「狭山池」とともに歩んできたと言っても過言ではありません。総合計画に掲げるまちの将来像には、狭山池の「水」というキーワードを連綿と受け継いでまいりました。水源涵養をはじめとする循環型社会の構築、治水対策や流域マネジメントの推進など、「水」に関わる施策を集約し、日本最古のため池を有するまちにふさわしい、水循環に関する計画の策定をめざします。
また、市民生活を支える下水道サービスを持続的に提供できるよう、耐震化を含め、老朽化した施設の改築更新を行ってまいります。また、下水道事業の健全な経営を推進するため、新たに「下水道事業経営審議会」を設置し、事業の透明性の確保を図りつつ、効果的かつ効率的な事業運営をめざします。
老朽化が進む水路につきましては、計画的な改修を行うとともに、集中豪雨等の浸水被害を未然に防ぐ取組みを進めてまいります。
狭山ニュータウン地区の活性化に向けては、「狭山ニュータウン地区再生推進計画」のもと、ロードマップに沿いながら、ソフト・ハードの両面で取組みを加速してまいります。
「狭山ニュータウンの未来を育むプロジェクト推進会議」によるプロジェクトへの支援では、市民等が主体となった活動等とも連携したまちのにぎわいを創出してまいります。
同地区の中心拠点である市立コミュニティセンター前には、バスの停留スペースを設け、猛暑対策として、微細ミストや緑化が施された上屋をバス停留所に設置いたします。これら利便性や快適性を高める整備にあわせ、周辺には、ゆとりある歩道空間や憩えるスペースを創出することで、ウォーカブル推進都市として、居心地が良く、歩きたくなる“まちなか”づくりをめざしてまいります。
また、近畿大学病院等の移転や府営狭山住宅のストック活用事業が実施されることなども念頭に、本市として、同地区全体の土地利用の需要動向の把握や課題整理のための調査に着手し、特に、大規模用地の今後の利活用方策の検討に資するよう取り組んでまいります。
人にやさしい交通環境の実現や交通対策の推進では、昨年11月に発生いたしました高齢者による痛ましい自動車事故を受け、高齢ドライバーによる事故を未然に防ぐことを目的に、「運転免許証自主返納キャンペーン」などの実施を通して、75歳以上の高齢ドライバーに対し免許返納を促すとともに、新たに、交通系ICカードを活用した補助制度を創設することで、返納への後押しを行ってまいります。
市民生活における交通利便性を高める取組みでは、市循環バスルートの見直しを行います。具体的には、現在の「西・北回り」ルートを、「西」と「北」の2ルートに分割し、「西回り」は「北野田駅前」に、「北回り」は黒山警察署にも近い「堺市美原区役所前」にそれぞれ接続させるとともに、ルートの見直しにあわせて、バス停留所を整備いたします。
また、バス車両においては、感染防止対策に有効な空気循環機能を備えつつ、地球温暖化の原因となる排気ガスを排出せず、低振動・低騒音で快適にご利用いただけるよう、コミュニティバスとしては府内で初めてとなる「電気バス」の導入をめざしてまいります。
さらに、老朽化した道路の舗装補修や狭隘道路の拡幅、草沢橋の拡幅と耐震化、ならびに橋梁点検などに引き続き取り組み、市民の安全・安心の確保に努めてまいります。
誰もが利用しやすく、安心して憩える公園、遊べる公園づくりでは、公園内の老朽化している遊具につきまして、地域の実情やニーズに沿ったものに順次更新してまいります。
クビアカツヤカミキリによる桜などへの被害につきましては、引き続き、被害木の早期発見に努めるとともに、行政、市民、双方による防除の取組みを通して、被害を最小限に抑える努力を重ねてまいります。
2050年カーボンニュートラルの目標実現に向け、地域における市民一人ひとりの取組みが重要となってまいります。気候変動問題に対する周知や啓発を図りつつ、市民の皆様による地球温暖化防止の取組みが一層進むよう、住宅用再生可能エネルギー等設備の導入支援を行ってまいります。
次に、「豊かな心と文化を育むまちづくり」に関する施策についてでございます。
望まない孤独や孤立、DV被害や生活困窮など、コロナ禍において不安や課題を抱える女性に対し、女性弁護士等による「女性のくらし特別相談会」や、専用電話相談「女性のためのよりそいホットライン」、女性カウンセラーによる相談など、心に寄り添った支援を図るとともに、生理用品の提供を通して、あらゆる年代の方へ相談の機会を周知し、社会から孤立することがないよう支援してまいります。
男女共同参画社会の確立に向けては、現行の「男女共同参画推進プラン」が策定から10年を迎えることから、SDGsの推進によるジェンダー視点の主流化など、この間の社会の変化や、国の基本計画とも整合を図るため、新たなプランの策定に着手いたします。
生涯学べる環境づくりでは、新たな「生涯学習推進計画」の策定を機に、市内外の活動団体や個人とのネットワークを一層強化し、生涯学習推進のさらなる機運醸成を図るため、生涯学習フォーラムを開催いたします。
文化会館におきましては、施設を快適に利用いただけるよう、トイレ等の改修工事を実施するとともに、施設の省エネルギー化を実現するため、民間事業者のノウハウ等を活かしたESCO事業の導入に向け、準備を進めてまいります。
スポーツの普及・振興に向けては、快適な環境のもとスポーツに取り組んでいただけるよう、総合体育館のメインアリーナやサブアリーナ等に大型のスポット型空調機を設置いたします。
歴史文化遺産の保存・活用では、「文化財保存活用地域計画」の策定作業を進めるとともに、「池守田中家」の保存と、今後の有効な活用方策の検討の基礎となる調査を継続してまいります。
市立郷土資料館では、市内の指定文化財をテーマにした企画展を開催し、市民の郷土愛をより一層深めるとともに、本市の歴史文化遺産の魅力を市内外に発信いたします。
次に、「安全で安心できるまちづくり」に関する施策についてでございます。
防災対策では、緊急情報をより迅速かつ的確にお知らせできるよう、同報系防災行政無線システムを改修いたします。
また、自主防災組織のより一層のスキルアップや組織率のさらなる向上を図るため、引き続き、資機材の貸与や購入補助、活動への支援を行うとともに、自主的に避難場所を開設した際に必要となる物品に対しても、補助の対象に含めることとするなど、制度の充実を図ってまいります。
自主防災組織のリーダーの育成に向けては、防災士資格の取得を継続して支援してまいります。
市内小中学校の児童・生徒、教員に対しましては、学校での被災を想定し、アルファ化米などの備蓄セットを計画的に配布してまいります。また、賞味期限前には、自宅に持ち帰ってもらうことで、家庭での防災意識を高める機運づくりにつなげてまいります。
大規模地震が発生した際、避難所を直ちに開設できるよう、強い揺れを感知することにより、避難所や防災倉庫の鍵を即座に取り出せる「地震解錠ボックス」につきまして、これまで順次整備を進めてまいりましたが、残る8箇所すべての指定避難所に整備をいたします。
防犯対策では、黒山警察署と協議を行いながら、年次計画的に、街頭防犯カメラを設置してまいります。さらに、自治会等が設置する街頭防犯カメラに対しましても、設置費等への補助を行い、地域の防犯環境のさらなる向上に努めてまいります。
消防体制や救急救命体制の充実では、引き続き、堺市への消防事務委託により、消防力の強化と、高度な専門性を有した組織体制を維持してまいります。
また、地域防災力の中核となる消防団におきましては、今後も安定した体制を維持できるよう、報酬等の処遇改善を図るとともに、常備消防とも円滑に連携しつつ、安全性と機動性を高め、より効果的な活動を可能とするため、資機材を充実させてまいります。
最後に、「施策の推進に向けて」でございます。
今後の新型コロナウイルスの感染状況は不透明ではありますが、各中学校区のまちづくり円卓会議では、地域の特色を活かした、さまざまな取組みが計画されております。
南中学校区円卓会議では、健康増進のためのウォーキングや元気クラブ体操のほか、街頭犯罪防止の啓発や青色防犯パトロールの実施による防犯環境の充実、災害時の避難所開設を想定した訓練にも取り組まれるなど、安全で安心な地域づくりを進められます。
第三中学校区円卓会議では、地域コミュニティのさらなる活性化を図るため、校区内で活動する団体や個人が気軽に交流できるよう、ワークショップや交流会、夏まつりなどを計画されているほか、花いっぱい運動やフラワーガーデン、美化活動、「三中円卓マップ」を利用したウォーキングなどに取り組まれる予定です。
狭山中学校区円卓会議では、地域住民のコミュニティづくりを推進するため、「さやりんピック」や「地域文化祭」の開催などを通して、校区内の親睦、交流を深められます。さらに、講演会、福祉・教育に関する活動や地域内清掃活動など、地域課題の解決に取り組まれる予定です。
各中学校区のまちづくりにつきましては、これを支援するための基本的な事項を定めた「まちづくり円卓会議条例」が、施行から10年を迎えようとしていることから、市民や、円卓会議で活動されている方々へのアンケートを実施することとし、その結果も踏まえ、条例の各条項について見直しの検討を行ってまいります。
コロナ禍により、地域コミュニティ活動が思うようにできず、地域のつながりが希薄化しているといった声を多くお聞きしています。
地域住民同士のつながりや絆をより一層強めるための活動を後押しするため、地域の伝統・文化行事などを広く支援できるよう、現在の地域力活性化支援事業補助金制度の内容を充実いたします。
また、コロナ対策を講じながらの地域活動を支援するため、自治会や地区会、住宅会に対しまして、感染症対策用の物品購入費用の補助を、引き続き実施してまいります。
地域コミュニティ活動の拠点である地区集会所に対しましては、改修等の費用を助成することで、地域活動の活性化を支援してまいります。
市の認知度向上を図り、交流人口の拡大をめざす取組みとして、SNSを活用した情報発信を強化してまいります。
まずは、そのスタートアップとして、インスタグラムを活用したフォトコンテストを開催いたします。入選者には「さやまのええもん」を贈呈することで、プロモーションの相乗効果をねらいます。
また、広報誌のフルカラー化により、視覚的な訴求効果を一層高めるとともに、平成17年度版から作成を続けてまいりました「わたしたちのまちの報告書」につきましては、市民の皆様に、より手に取って見ていただけるよう、レイアウトを見直したうえで掲載内容を重点化させ、広報誌に綴じ込み、全戸配布いたします。「狭山池ダムカレー」につきましても、市内での販売促進を図るとともに、ふるさと応援寄附金への返礼品にもラインナップしておりますので、これらを活用しながら、市の魅力情報を戦略的に市内外へ発信してまいります。
職場でのハラスメントをなくし、良好な職場環境の確立をめざす取組みとして、従来から、内部職員による相談員制度を運用しておりますが、法令遵守を徹底するための取組みとあわせ、職員が相談や通報しやすい環境をより一層整えるため、新たに、外部相談窓口を設けることといたします。
業務効率を高める取組みでは、AI技術による議事録作成支援システムを全庁に導入し、職員の業務負担の軽減を図ってまいります。
令和3年度税制改正において、地方税共通納税システム(eLTAX(エルタックス))の対象税目に固定資産税・都市計画税、軽自動車税の種別割が追加されることになりましたので、オンライン手続き等が可能となるよう、システム改修を行い、行政のデジタル化を進めてまいります。
適切な公共施設マネジメントの推進では、長期的な見通しを踏まえた公共施設の配置、規模、機能など最適化に係る方向性を示すものとして、「公共施設再配置方針」を策定いたします。
以上、令和4年度に取り組みます主要な施策の概要につきまして、ご説明申し上げました。
私の市長としての任期も、早いもので1年と2ヶ月を残すばかりとなりました。
「生涯 住み続けたいまち 大阪狭山市」の実現。
これは、私が、市長一期目から一貫してめざしてきた、まちづくりの基本目標であります。二期目におきましては、「生活安心」、「住みやすさ」、そして「将来への責任」を政策課題の柱に据えた、「第二期まちづくり重点施策」を取りまとめ、二人の副市長が分担・連携し、私を補佐するトップマネジメント体制のもとで、今日まで奮励努力してまいりました。
一例を申し上げますと、「生活安心」では、冒頭申し上げた取組みのほか、コロナ禍での育児パッケージの内容充実や対面を避けた積極的な電話支援など、妊娠・出産・子育てまでを切れ目なく支援する体制の充実に取り組んでまいりました。乳幼児健診では、新たに、新生児聴覚検査費用の助成を開始するとともに、令和4年度からは、視力検査の内容の充実にも取り組むこととしております。
また、待機児童の解消に向けては、保育所や認定こども園等の開設を進めてまいりました。医療・介護の分野では、近畿大学病院等の移転後の医療機能の確保に向け、三者協議を中心とした議論の成果として、大阪府から「跡地での医療機能等」を示す具体的な考察を引き出すことができました。
地域で暮らす高齢者の皆さんを総合的に支える「地域包括支援センター」では、ニュータウンサテライトを新設するとともに、認知症患者向けの個人賠償責任保険事業を新たに実施するなど、高齢者等が安心して、いきいきと暮らせる優しいまちづくりを進めてまいりました。
「住みやすさ」では、快適な暮らしや安らぎのあるまちづくりに向け、狭山ニュータウン地区の活性化を推進するため、副市長をリーダーとした全庁的組織である「狭山ニュータウン地区活性化プロジェクトチーム」のもと、冒頭申し上げた各種の実績を重ねながら、取組みを進めてまいりました。
また、空き家の除却補助制度や空き家バンク制度の創設、道路や公園など都市基盤の整備、水とみどりのネットワークの創出などに取り組み、防災分野では、学校への非常食備蓄セットの配布をはじめ、防災マップの作成と配布などに取り組んでまいりました。
さらに、子どもたちの健やかな育ちを応援するため、児童・生徒一人一台のタブレット端末を活用した授業の展開や、学校図書の充実、放課後児童会を運営する民間事業者への支援などに取り組んでまいりました。
「将来への責任」では、市民の安全・安心の確保と、持続可能な行財政基盤をより強固なものとするため、消防事務の広域化や大阪広域水道企業団との水道事業の統合を実現するとともに、「行財政改革推進プラン2020」を策定し、行財政改革の着実な推進を図るなど、次世代に負担を先送りしないまちづくりを進めてまいりました。
重点施策の残る課題として、これまで検討を重ねてまいりました、総合体育館への空調機の設置や、市循環バスルートの見直しにつきましては、今回の予算案に盛り込むことで、実現に向けた道筋を付けることができ、これらを含め、概ね9割を超える取組みが、目標を達成できる見通しとなりました。これもひとえに、市民の皆様ならびに市議会議員の皆様のご理解とご支援、そして、全職員の英知の結集と努力の結晶の賜物であると、この場をお借りし、改めて、皆様に感謝を申し上げます。
「百里を行く者は九十里を半ばとす」という言葉がございます。
これは、何事も終わりのほうになるほど困難が多く、九分どおりまで来てようやく半分と心得て、最後まで気を緩めるな、という戒めの言葉であります。
この言葉を胸に刻み、これまでの実績に慢心することなく、残された課題についても引き続き検討を重ねながら、二期目の重点施策に掲げる取組みの総仕上げに向け、取り組んでまいりますので、市民の皆様をはじめ、市議会議員の皆様のより一層のご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げ、令和4年度の施政運営方針といたします。
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更新日:2023年10月31日