令和2年度施政運営方針
令和2年2月27日に再開した大阪狭山市議会定例会3月定例月議会初日で発表した施政運営方針の要旨です。
施政運営の基本方針
令和2年度の施政運営に関する基本的な考え方と各会計予算に盛り込みました主な施策の概要につきまして、ご説明を申し上げます。
「令和」という新たな時代の幕開けから、まもなく1年を迎えようとしています。
今、改めて「平成」の時代を振り返りますと、我が国においては、絶頂であったバブル経済が崩壊し、長きにわたり、不況の時代を迎えることとなりますが、その後も、リーマンショックによる世界規模での経済の混乱をはじめ、阪神・淡路大震災や東日本大震災、熊本地震などの大地震の発生、台風の頻発やゲリラ豪雨などといった異常気象にも見舞われるなど、さまざまな苦難に直面いたしました。
その一方で、「平成」の時代は、「平和な時代」として語られることも多く、この間、特に技術革新は飛躍的に進み、例えば、携帯電話やインターネットの普及などの通信技術の進展は、私たちの生活スタイルのみならず、まさに、社会全体のありようさえも、大きく変えた時代でありました。また、地方分権改革が大きく進展し、国と地方は対等な立場のもと、より住民に身近な基礎自治体が、地域の特性を生かしたまちづくりができるようになるなど、地方自治体を取り巻く環境も大きく変貌を遂げてきました。
「令和」の時代においても、たとえ、苦難や困難に直面しようとも、それらに立ち向かい、また、これまで積み重ねてきた功績や遺産をしっかりと受け継ぎ、さらに飛躍し、輝く時代へとつないでいかなければなりません。新たな時代、「令和」の幕開けの年は、私にとりましても、市政運営において、2期目の新たなスタートを切った年でもありました。思い起こせば、平成27年4月に、市長として初当選して以来、まもなく5年の月日が経とうとしております。これまでの間、私は、一貫して「生涯 住み続けたいまち 大阪狭山市」をめざすことを基本目標として掲げ、子育て施策の推進や教育環境のさらなる充実、都市基盤の整備や防災・防犯施策の推進、安全で安心なまちづくりなどに全力で邁進してまいりました。そうした取組みも一助となり、近年の本市の人口が微増傾向となっていることは、大変喜ばしいことでございます。
しかしながら、全国に目を向けますと、厚生労働省が昨年12月に発表いたしました、令和元年の人口動態統計の年間推計では、出生数が、最少だった前年をさらに下回り、はじめて90万人を割る見通しであるということが明らかになりました。このように、我が国におきましては、少子化の進行とともに、国全体の人口減少に歯止めがかからない厳しい状況に置かれているなかにあって、本市といたしましても、現状に甘んじることなく、常に危機感を持ち、将来を見据えたまちづくりを行っていく必要がございます。
特に、本市の最重要課題の一つであります、近畿大学病院ならびに帝塚山学院大学の市外への移転計画に伴い、本市の今後のまちづくりは、大きな転換期を迎えております。近畿大学病院跡地におきましては、医療需要を踏まえ、身近で安心して医療を受けることができるよう、引き続き、協議、検討を進めてまいります。帝塚山学院大学も含め、これらの跡地は一定のまとまった面積を有しておりますことから、本市としても望ましい土地利用に向け、引き続き、関係各所と必要な協議を重ね、本市にとりましても、より良い形となるよう、尽力してまいります。
今後とも、本市に直面する課題に真摯に向き合い、困難を乗り越え、これまで積み重ねてきた「住みやすさ」や「暮らしやすさ」といった、まちの優れたDNAを継承しながら、さらなる高みをめざし、魅力あるまちづくりに全力で挑んでまいる所存であります。
さて、本年は、本市の長期的なまちづくりの基本方向を示す新たな総合計画、「第五次大阪狭山市総合計画」づくりの、いわば最終の仕上げの年となります。次の総合計画では、より地域の実情に沿ったまちづくりを進めるため、各中学校区におけるまちづくりの方向性を示す「地域別計画」を新たに取りまとめるほか、平成27年9月の国連サミットで採択された、2030年までの長期的な開発の指針「持続可能な開発のための2030アジェンダ」の中核を成す「持続可能な開発目標」、いわゆる「SDGs」の視点も盛り込み、計画策定を進めてまいります。今後10年のまちづくりを見据え、市民の皆様が夢や希望を抱き、みんなが笑顔になれる大阪狭山の将来像を描いてまいります。
また、先にも述べましたように、我が国の人口が今後も減少していくなかで、将来にわたって、「活力ある地域社会の実現」をめざしていくためには、引き続き、出産・子育て支援による若い世代の定住促進や、安心して暮らし続けられる環境整備、まちの魅力向上など、「地方創生」を成し遂げていく施策を推進していく必要があります。こうした取組みにつきましても、総合計画と一体で推進していけるよう、次期「大阪狭山市総合戦略」を取りまとめてまいります。
それらに先立ち、まずは令和元年度中に、まちづくりを推進するための土台である行財政基盤をより強固なものとするため、「大阪狭山市行財政改革推進プラン2020」を策定することといたしております。本プランにおきましては、市民サービスに関係する内容も含め、令和2年度から令和6年度までの今後5年間におけるさまざまな取組みについて検討・実施してまいりますが、令和2年度当初予算編成においては、その編成方法の見直しも含め、当初から予算に反映できる取組みは、できる限り反映した予算といたしております。
また、一般職の管理職につきましては、その役職に応じて、管理職手当を10%から20%削減することといたしました。管理職自らが先頭に立ち、そのマネジメント力を存分に発揮しながら、行財政改革に取り組んでまいります。
地方公共団体を取り巻く環境は依然厳しい状況にあります。特に、社会保障関係経費の増嵩や公共施設の更新・維持管理経費などの、いわゆる義務的経費が、今後とも行財政運営に重くのしかかってまいります。まずは本プランに沿って、取組みを進めてまいりますが、今後の国の制度改正等を含む社会経済情勢の変化や、本市の収支状況の推移等に応じて、必要と判断した場合は、次の一手、二手と、新たな取組みを追加してまいります。行財政改革をさらに推し進めることにより、持続可能な行財政運営の基盤を固め、私がめざす「生涯 住み続けたいまち 大阪狭山市」の実現に向け、今後も、さまざまな施策を実行に移してまいります。
以上のことを踏まえまして、第四次大阪狭山市総合計画後期基本計画の施策体系に沿った形で、令和2年度の主な施策の概要を申し上げます。
基本計画の「1.大阪狭山らしさを創出する 自立と協働のまち」をめざす施策についてでございます。
まず、参画と協働のまちづくりについてでございますが、それぞれのまちづくり円卓会議において、さまざまな取組みが行われます。
南中学校区円卓会議では、より安全で安心なまちをめざし、ひったくり等の街頭犯罪防止の啓発や青色防犯パトロール、災害時の避難所開設訓練などを実施されるほか、高齢者の方々の健康増進に対する意識を高めるため、元気クラブ体操や元気ウォーキングに継続して取り組まれます。
第三中学校区円卓会議では、菜の花いっぱい運動や、フラワーガーデンの取組みを推進されるとともに、校区内で活動する団体や個人が気軽に交流できる場を提供するため、ワークショップや交流会、夏まつりなどを開催されるほか、『三中円卓マップ』を利用したウォーキングを通して、地域の魅力を再発見する取組みなど、地域が一体となった取組みが継続して行われます。
狭山中学校区円卓会議では、校区内の親睦、交流を図りながら地域住民のコミュニティづくりを推進するため、「さやりんピック」や「地域文化祭」を開催されるほか、地域課題の解決に向けた講演会、福祉・教育に関する活動や地域美化運動に引き続き取り組まれます。
各中学校区のまちづくり円卓会議が、それぞれの地域の特色を活かし、創意工夫により実践される取組みに対しまして、これまでの取組状況の振り返りも踏まえ、引き続き支援を行い、地域コミュニティの活性化に取り組みます。
自治会・地区会などの地域のコミュニティ活動につきましては、その活動の拠点であります地区集会所の改修や備品等の整備に対しまして、引き続き助成します。
また、市民相互の多様な交流を促進することによりまして、コミュニティ意識の高揚を図ることなどを目的に設置しております市立コミュニティセンターにつきましては、空調機器等の老朽化した設備の改修を進め、本年5月の完成をめざします。
次に、人権尊重の環境づくりといたしまして、時代の変化等に伴う新たな人権課題を踏まえ、本市の「人権行政基本方針」について見直しを行うほか、障がい者理解を深める取組みとして、パラスポーツ体験や啓発展示などのイベントを開催いたします。
次に、基本計画の「2.健康で安心して暮らし続けられる 思いやりのあるまち」をめざす施策についてでございます。
まず、健康づくりの推進についてでございますが、乳児期のロタウイルスワクチンの予防接種が、令和2年10月から定期接種化されることに伴い、指定医療機関において、個別接種できる体制を整備いたします。
胃がんの早期発見、早期治療につながるよう、従来のエックス線検査に加え、新たに、胃カメラによる検査につきまして、50歳以上の市民を対象に、指定医療機関で受けられる体制を整備いたします。
地域で支えあう仕組みづくりといたしましては、民生委員・児童委員による地域福祉活動への支援を強化するため、ともに活動する「地域力強化協力員」を配置するとともに、住民自らが地域の生活課題を認識・把握し、共有することで解決につなげていく体制や、地域の課題を身近な場所で包括的に相談できる体制の充実を図ります。
障がい者福祉サービス及び障がい児通所支援サービスの確保方策等を定める「障がい福祉計画」及び「障がい児福祉計画」の計画期間が令和2年度末をもって満了することから、令和3年度からの新たな計画を策定いたします。
介護保険事業の推進といたしましては、介護サービスなどの情報提供や相談の拠点となっております「地域包括支援センター」を、現在の市役所南館に加え、新たに、ニュータウン連絡所内にも相談窓口を設けることで、より身近で、きめの細やかな相談・支援体制を構築します。
地域住民主体で取り組まれている介護予防活動である「いきいき百歳体操」のさらなる充実を図るため、体操の指導や活動協力を行う支援員を派遣するほか、活動の場がさらなる健康づくりの場となるよう、管理栄養士や歯科衛生士など、介護予防や医療の専門職を派遣し、健康指導などの支援を行います。
中長期的な視点に立った高齢者施策を展開するとともに、地域包括ケアシステムのさらなる深化や推進を実現するため、「高齢者保健福祉計画及び第8期介護保険事業計画」を策定します。
認知症の方やその家族が地域で生活する不安を軽減するため、認知症高齢者等が事故で第三者に損害を被らせてしまった場合などに負う損害賠償責任を補填する保険に、市が加入する制度を創設いたします。
ひとり暮らしの後期高齢者を対象に、低栄養や生活習慣病の重症化等を予防するため、保健師等による個別訪問指導を、引き続き実施してまいります。
次に、基本計画の「3.人と自然が共生する 環境にやさしいまち」をめざす施策についてでございます。
まず、水と緑を守り、親しむことができる環境づくりについてでございますが、令和元年度中に策定予定の「大阪狭山市水と緑のネットワーク構想」に基づき、狭山池を中心核とする周辺エリアの魅力をさらに高め、にぎわいの創出をめざしてまいります。まずは、官民連携による副池オアシス公園等のリニューアルを視野に、エリアマネジメントの検討も含め、周辺整備を進めてまいります。
クビアカツヤカミキリによる桜への被害の拡大を最小限に抑えるため、被害木の早期発見に努めるとともに、薬剤注入や防除ネット対策等を講じてまいります。また、コナラ等樹木のナラ枯れ被害がみられる、あまの街道の高木の立ち枯れにつきましても、計画的に伐採を行うことにより、樹木の適正管理、ならびに利用者の安全確保に努めてまいります。
次に、地球にやさしい環境づくりについてでございますが、地球温暖化対策につきましては、市民の積極的な取組みを促進するため、住宅用再生可能エネルギー等設備導入費補助制度によりまして、省エネルギー設備の導入費の一部補助を継続いたします。
次に、基本計画の「4.ともに学び 世代をつないで 人を育むまち」をめざす施策についてでございます。
まず、子育てにやさしい環境づくりについてでございますが、ひとり親家庭における養育費の不払いによって、子どもの健やかな成長に影響を及ぼすことがないよう、離婚時における養育費の取り決めの促進や、継続した履行の確保を図ることを目的に、取り決めに係る公正証書の作成費用のほか、養育費の支払いが不履行となった場合に、民間の保証会社が立て替えて養育費を支払う保証制度への加入費用について補助します。
きらり保育園が、旧市立第1保育所として建築されて以来40年以上が経過し、老朽化していることから、子どもたちがより安全で快適に過ごせる環境を確保するため、園舎の建替えを実施いたします。また、これを機に、同園を幼保連携型認定こども園に移行するとともに、保育定員の拡大をはじめ、放課後児童の受け入れも可能となるよう整備を進めることから、必要な補助を行ってまいります。
また、民設民営の放課後児童会健全育成事業を実施する事業者に対して必要経費の一部を補助することで放課後児童の受け皿を拡充するほか、さやま元気っこ推進事業では、特に放課後児童会への入会希望が多い東小学校におきまして、活動メニューを増やすなど、引き続き、子どもの放課後の居場所づくりを進めてまいります。
次に、学ぶ力・生きる力を伸ばす教育環境づくりについてでございますが、地域と学校の連携・協働を効果的に進めるため、「地域学校協働活動推進員」を配置し、地域全体で、未来を担う子どもの成長を支えていく体制の構築をめざします。多様な子どもたちを誰一人取り残すことなく、公正に個別適正化された学びを提供できるよう、児童・生徒1人1台のタブレット端末の配備をめざしてまいります。先般、国の補正予算が可決成立いたしましたことから、当該補正予算に計上されております国庫補助金を活用し、まずは令和2年度において、1人1台の使用を前提とした高速大容量の通信ネットワークの整備を進めてまいります。
児童・生徒が自らの学習状況やキャリア形成を見通し、また、振り返ることによって、自身の変容や成長を自己評価できるよう、「キャリア・パスポート」を作成し、小学校から中学校までのキャリア教育に関わる活動を推進します。
教職員の負担を軽減する取組みといたしましては、児童・生徒の出欠管理や健康管理などのほか、指導要録などの作成を効率的かつ効果的に行えるよう、校務支援システムを全小中学校に導入いたします。加えて、教職員の補助的業務を担うスクール・サポート・スタッフを、まずはモデル校1校に配置し、その効果を検証してまいります。教員の働き方改革を推進することで、教職員の業務負担の軽減を図り、児童・生徒への指導時間の拡大や、教材研究等に一層注力できる環境を創出し、教育環境のさらなる充実を図ります。
学校給食センターにおきましては、引き続き施設等の改修を進め、安全で安心な学校給食の提供を行ってまいります。
次に、歴史文化の振興につきましては、史跡狭山池に重要な関わりのある池守田中家の建物・敷地等の文化財調査を行い、今後の保存活用の検討を進めます。
また、市立郷土資料館におきまして、江戸時代の村の様子が描かれた絵図をテーマにした企画展を開催し、歴史資料を活かした魅力発信を行います。
国際交流・国内交流の推進といたしまして、令和元年度には本市とオンタリオ市との姉妹都市提携から45周年を迎え、令和2年度には日高川町との友好都市締結から20周年、その翌年の令和3年度は、都市間市民交流協会の設立20周年を迎えることとなり、記念すべき年が続くことを踏まえ、その中間年であります令和2年度に行われます、都市間市民交流協会主催の記念事業に対して、支援を行います。
次に、基本計画の「5.にぎわいがあり 安全で快適な暮らしのあるまち」をめざす施策についてでございます。
まず、防災・防犯対策の充実についてでございますが、防災分野といたしましては、自主防災組織に対する防災資機材の購入をはじめ、防災訓練の実施や研修会の開催など、地域の防災活動に対し支援を行います。さらには、自主防災組織のリーダーを育成するため、防災士の資格取得の支援を行い、地域防災力のさらなる向上を図ってまいります。
大規模災害発生時において、児童・生徒及び教職員が活用できるよう、アルファ化米などの備蓄セットを、年次計画により各小中学校に配布してまいります。また、3年後の賞味期限が切れる前には自宅に持ち帰り、食していただくことで、学校をはじめ、家庭での防災意識の高揚と非常食の備蓄促進につなげてまいります。
土砂災害特別警戒区域内にある住宅を区域外へ移転する場合や、区域内の住宅を補強する場合に要した費用の一部を助成する制度を引き続き実施するとともに、旧耐震基準で建築された民間建築物等の耐震対策をはじめ、木造あるいは不良状態の空き家の除却費用に対しても助成を行うなど、災害時の被害軽減と空き家の解消に努めてまいります。
ため池の万一の決壊時に備え、ため池ハザードマップを順次作成し、地域住民に周知を図ってまいります。
防犯分野といたしましては、自治会等が設置する街頭防犯カメラの設置費用等の一部補助を継続するとともに、不特定かつ多数の人が利用する公共的な場所には、街頭防犯カメラを計画的に設置し、地域の防犯環境の充実を図ってまいります。
次に、快適で魅力ある市街地の整備についてでございますが、平成22年度に「都市計画マスタープラン」を策定して以降、平成28年度の中間見直しを経て、概ね10年を迎えることから、令和4年度からの都市計画に関する基本方針を立てるため、新たなプランの策定に取り組みます。
市立斎場におきましては、冷却設備を備えた火葬炉の導入や、諸室の整備など、令和2年度の完成に向け、引き続き改修工事を実施してまいります。
人や環境に配慮した交通環境の整備につきましては、狭隘道路の拡幅をはじめ、老朽化した道路の舗装補修を計画的に進めるなど、市内の交通の円滑化と、歩行者や車両等の安全確保に努めるほか、草沢橋の拡幅及び耐震補強につきましては、令和2年度中の完成をめざし、引き続き大阪府と連携して取り組んでまいります。
さらには、昨年5月に発生した、滋賀県大津市内の交差点における幼稚園児らを巻き込んだ不幸な事故を踏まえ、本市におきましても、交差点付近の安全対策が可能な箇所に対し、ポールや防護柵などの設置を行います。なお、本事業につきましても、先に申し上げました、学校における通信ネットワーク環境整備と同様に、国の補正予算が成立したことを受けまして、令和元年度補正予算に前倒して計上し、令和2年度に繰り越したうえで、早期に事業着手してまいります。
夏季の猛暑対策の一環として、市内循環バスや南海バスの主要な停留所において、屋根の遮熱性を高める対策を講じるとともに、大型の緑化プランターの設置や、対応が可能な停留所には、微細ミスト装置を設置します。
次に、信頼できるライフラインの充実についてでございますが、水道事業におきましては、老朽化した送配水管等の更新・耐震化を進め、安全で安定した水道水の供給に努めるとともに、持続可能な事業運営をめざし、経営基盤及び技術基盤の強化、住民サービスのさらなる向上を図るべく、大阪広域水道企業団との令和3年4月の統合に向けて、検討・協議を進めてまいります。下水道事業におきましては、下水道長寿命化計画に基づき、持続可能なライフラインの構築に向け、老朽化した下水道管の改築工事、ならびに幹線管の耐震化工事を効率的かつ計画的に進めてまいります。また、集中豪雨時の浸水被害から市民生活を守るため、雨水整備計画に基づき、西除川第二排水区雨水調整池整備工事を引き続き進めてまいります。
次に、消防・救急体制の整備についてでございますが、堺市との消防事務の委託に向けた協議を進めるとともに、消防救急デジタル無線につきましては、経年劣化に伴う障害発生を未然に防止し、安定的な運用が図れるよう、システムの点検を実施します。また、消防団による災害への対応力を高めるため、小型動力ポンプ積載車を更新します。
次に、観光の振興についてでございますが、市外から観光に来訪される方々などに活用いただく「観光マップ」につきまして、作成から10年が経過していることから、内容を見直し、新たに作成します。また、平成29年度に帝塚山学院大学と連携して開発いたしましたレトルト版「狭山池ダムカレー」につきまして、市内各所での販売も視野に、シティプロモーションツールの一つとして、引き続き活用してまいります。本市や神奈川県小田原市をはじめ、北条氏にゆかりのある市町村などで構成する「北条五代観光推進協議会」におきまして、北条氏のさまざまな偉績を活用した観光事業を展開していくなかで、狭山藩北条氏をはじめとする本市の歴史や魅力を市の内外にアピールしてまいります。
最後に、基本計画の「6.みんなで創る 持続可能なまち」をめざす施策についてでございます。
冒頭申し上げましたとおり、本市の今後のまちづくりの指針となる「第五次大阪狭山市総合計画」をはじめ、「大阪狭山市人口ビジョン」に掲げる将来展望の実現をめざす、次期「総合戦略」の策定に向けた取組みを進めてまいります。
狭山ニュータウンの活性化に向けた取組みといたしましては、「狭山ニュータウン地区活性化指針」をもとに、住民や地域活動団体が主体となって、活性化に向けた活発な議論や取組みを進めていただけるよう、引き続き、必要な支援を行います。
市民の皆様をはじめ、外部から市役所への問い合わせ等が多い部署を中心に、円滑な対応ができるよう、担当部署に直接つながる直通電話(ダイヤルイン)を導入します。
現在の住民基本台帳システムをはじめとした基幹情報システムについて、令和4年度からの更新を見据え、導入コストや運用コストの削減を図ることを目的に、他の自治体とともに、クラウド化を含め、共同調達に向けた検討を進めます。
また、今後のSociety5.0時代を見据え、AIやICTを活用した業務のさらなる効率化をめざし、入力作業や集計作業など、定型業務を自動的に処理する「RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)」を試行的に導入します。まずは、一部の業務で検証を行い、今後の全庁展開も視野に検討してまいります。
最後に、健全な財政運営についてでございますが、「行財政改革推進プラン2020」に基づき、全庁的に行財政改革に取り組んでまいります。本プランの推進にあたりましては、庁内組織であります「大阪狭山市行財政改革推進本部」を中心に進捗管理を行うとともに、毎年度の決算状況等を踏まえ、財政収支見通しの見直しを適宜行いながら、収支状況のバランスに応じて、新たな取組みを追加するなど、毎年度、プランの見直しを図ってまいります。
以上、令和2年度に取り組みます主要な施策の概要につきまして、ご説明申し上げました。
さて、令和2年は、干支でいいますと、「庚子(かのえね)」であります。「新たな芽吹き」と「繁栄の始まり」という意味があると言われております。
今年は、「行財政改革推進プラン2020」をはじめ、「第五次総合計画」や次期「総合戦略」など、今後のまちづくりにとって大きな方向性を示す、非常に重要な計画をまとめるほか、新たな「都市計画マスタープラン」の検討にも着手をしてまいります。こうしたさまざまな計画が形となり、目標に向かって実行へと移していく、まさに、私にとりましても、「新たな始まりの年」との思いを、なお一層強くいたしているところであります。
今後、大きなまちづくりのビジョンをお示しし、より多くの施策を展開させていただきたいとの思いから、今回、特別職の報酬につきまして削減することといたしました。具体的には、特別職報酬等審議会での答申を踏まえ、現在10%の報酬削減を実施しておりますが、さらに5%を上積みし、15%の削減を本年4月から実施いたしたく、本議会に関係条例をご提案申し上げる次第であります。
また、よりきめの細やかなまちづくりを進めていくためには、やはり、市民の皆様のさまざまな想いに心を寄せ、市民の皆様の声に耳を傾けていかなければなりません。そうした思いから、令和2年度において、各中学校区単位でのタウンミーティングを実施してまいりたいと考えております。市民の皆様の声を市政に反映していけるよう、私のリーダーシップのもと、全職員が一丸となり、大阪狭山市のさらなる発展に向けて、邁進していく所存であります。
今後とも、市民の皆様ならびに市議会議員の皆様のより一層のご支援とご協力を賜りますよう切にお願い申し上げまして、令和2年度施政運営方針とさせていただきます。
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更新日:2023年10月31日