高齢者虐待防止法をご存じですか?

更新日:2024年09月20日

高齢者虐待とは

高齢者が他者からの不適切な扱いにより、権利利益を侵害される状態や生命、健康、生活が損なわれるような状態におかれることです。

平成18年4月から施行されている「高齢者に対する虐待の防止、高齢者の擁護者に対する支援等に関する法律(以下、「高齢者虐待防止法」)」では、「高齢者虐待」の種類を身体的虐待、介護・世話の放棄・放任、心理的虐待、性的虐待、経済的虐待の5つに分類しています。また、主体により「養護者による高齢者虐待」と「養介護施設従事者等による高齢者虐待」に分けられています。

高齢者虐待の種類
区分 内容と具体例
身体的虐待

暴力的行為などで、身体に傷やアザ、痛みを与える行為や、本人の行動を制限したり、外部との接触を意図的、継続的に遮断する行為
【具体例】

  • 平手打ちをする、つねる、殴る、蹴る、無理やり食事を口に入れる、やけど、打撲させる
  • ベッドに縛り付けたり、意図的に薬を過剰に服用させたりして、身体拘束、抑制をする/等

介護・世話の

放棄・放任

意図的であるか、結果的であるかを問わず、介護や生活の世話を行なっている者が、その提供を放棄または放任し、高齢者の生活環境や、高齢者自身の身体・精神的状態を悪化させていること
【具体例】

  • 入浴しておらず異臭がする、髪が伸び放題だったり、皮膚が汚れている
  • 水分や食事を十分に与えられていないことで、空腹状態が長時間にわたって続いたり、脱水症状や栄養失調の状態にある
  • 室内にごみを放置するなど、劣悪な住環境の中で生活させる
  • 高齢者本人が必要とする介護・医療サービスを、相応の理由なく制限したり使わせない/等
心理的虐待

脅しや侮辱などの言語や威圧的な態度、無視、嫌がらせ等によって精神的苦痛を与えること
【具体例】

  • 排泄の失敗等を嘲笑したり、それを人前で話すなどにより高齢者に恥をかかせる
  • どなる、ののしる、悪口を言う
  • 侮辱をこめて子どものように扱う/等
性的虐待

本人への性的な行為の強要、または、性的羞恥心をもよおすあらゆる形態の行為
【具体例】

  • 排泄の失敗等に対して懲罰的に下半身を裸にして放置する
  • キス、性器への接触、性行為を強要する/等
経済的虐待

本人の合意なしに財産や金銭を使用し、本人の希望する金銭の使用を理由なく制限すること
【具体例】

  • 日常生活に必要な金銭を渡さない/使わせない
  • 本人の自宅等を本人に無断で売却する
  • 年金や預貯金を自分の借金返済等のために無断で使用する/等

 

高齢者虐待に気づいたら?

高齢者虐待は、養護者(介護者)が心身ともに疲れ果て、してはいけないと分かっていても自制が効かなくなっていることも発生の要因として考えられます。高齢者虐待の防止は、被害を受ける高齢者を守るとともに養護者(介護者)がこれ以上加害を重ねないよう養護者(介護者)自身を守ることにもつながります。

高齢者虐待を発見した場合や疑われる場合は、通報の「努力義務」があります。また生命や身体に重大な危険が生じている場合には通報の「義務」があります。養介護施設従事者等については、その施設内やサービス事業で虐待を発見および疑う場合はいずれも通報の「義務」があります。

生命や身体に重大な危険が生じている場合は警察や消防に、その他の場合は市役所や地域包括支援センターにご連絡ください。

この記事に関するお問い合わせ先

健康福祉部高齢者福祉グループ
電話番号:(高齢者福祉・介護保険料・介護給付)072-349-9416(認定)072-349-9418
ファックス番号:072-367-1254
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