おおさかさやまで、キラキラ、ひかる。

更新日:2023年12月27日

「おおさかさやま」には、夢を描いて、夢に向かって何かに打ち込んでいる人がいます。
そこに性別や年齢は関係ありません。
おおさかさやまの、夢や目標に向かって「キラキラ」ひかる人を紹介します。

 

半井重幸さん

vol.001

大阪狭山市特命大使
Bboy Shigekix
半井重幸さん

 

 profile

大阪狭山市出身。
姉の彩弥さんの影響で7歳からブレイキン(ブレイクダンス)を始める。小学生のころから世界から注目され、日本最大規模の大会「DANCE @ LIVE Japan Final 2016」や、「RED BULL BC ONE World Final 2020 オーストリア大会」など、国内外の数々の大会で優勝を重ねている。
2023年に開催された杭州アジア大会で金メダルに輝き、2024年パリオリンピックの出場権を獲得。

 

episode

大阪狭山市で2人目のオリンピック出場権獲得。ブレイキンという過酷な競技で最先端を走る半井重幸さんに話を聞きました。

 

大阪狭山市は自分にとってホーム


大阪でブレイキンをやりはじめてから、常に帰ってきている場所。「大阪狭山市」は実家もある自分の一番の居場所だと感じています。
練習は大阪市内でしていましたが、練習場所に行こうが、地方の大会に行こうが、海外に行こうが、日本の空港に戻ってきて真っ先に帰るのは自分の家なのでホームだなと感じます。今日も、大阪狭山市駅に着いたときは地元だなと思いましたね。ここで育ってなかったら、全然違う自分に育っていったと思います。今の自分があるのはここで育ったおかげです。

大阪狭山市は、過ごしやすくて、子育てにいいまちと名前が挙がるぐらい、子育てにやさしいまちだと自分も思っています。18歳までここで過ごしましたが、友だち、人間関係も含めて過ごしやすい印象で、良い時間を過ごしたと感じています。

ブレイキンは当時、オリンピック競技になっていなかったので、「どういうものなの」っていう認知度が低い競技でした。だから、周りの人からは、まさか毎月、ヨーロッパやアメリカに行くなんてと思われていたと思います。
でも、このまちでは当時から世界に向けて頑張っている子がいると周りの皆さんに思ってもらえていたことで、大きな大会がないときから、自分の活動をサポートしてもらえたり、理解してもらえていたので、周りと違う生活をしていても、居心地の良い場所だったなと感じています。

半井さんと狭山池

中学生のとき狭山池でランニングしていたという半井さん。

小学生のころからやりたいことをやるために


毎日のように、自分がやりたいダンスをするために、小学生として、中学生として、高校生として、半井重幸一人の人間として、すべきことをしたうえで、自分がやりたいことを全力でやりなさいと言われていました。放課後に周りの子が遊んでいるときに自分は勉強して、みんなが勉強しているときに自分はダンスの練習をして。やらなければいけないことをやってからしたいことをするようにと口酸っぱく言われていましたね。
やるべきことをやる責任を果たして、自分のしたいことを全力でやるという考え方は自分の中に染みついています。

 

できないではなく、自分を見つめ、常にビジョンを描く


目的、目標、常に明確に自分の中にビジョンを持つようにしてきました。小さいころから、「ありえないでしょとか、そんな大きい目標持ってもできるわけない」という声があったとしても、自分は聞く必要がないと思っていました。夢を持つことは自由だし、権利だと思っていたので、小さいころから自分の未来をイメージしていることが今の自分につながっているし、イメージしていなかったらできてこなかったと思います。
オリンピックにブレイキンの種目が決まるずっと前から、目標を持って頑張っています。

 

幼少期から変わらないもの


いろんなアプローチを考えることでしょうか。一つの物事をいろんな角度から、アプローチを考える。よく一人で考え事をしていました。
一つの物事に対して、物事の意味や本質を考えること、何度も何度も考えることが昔から好きでした。ドキュメンタリー映画や哲学的なものも小さいころから好きで、答えが明確にないけど、答えを見いだす。人がそうしているのを見ることも好きですし、自分自身が考えることも好きです。
変わっていない感覚として、好きなものへ夢中になる、熱中するということは小さいころから変わっていないと思います。これからも変わらないです。

表敬訪問時の半井重幸さん

大切にしている言葉「常に挑戦」


常に挑戦するために、常に目標を立て、自分が魂を燃やす何かについて行動する、意識する。これをしない日が1日もありません。目標を達成できるのは、1週間後なのか10年後なのかわからないこともありますが、常に挑戦する気持ちを大切にしています。

 

競技者として、半井重幸として、どんな人をめざすか

 

自分がめざす人物像の中に過去にいたこの人というのはないんです。ほかの競技で時代を動かしてきた人の言動や行動は学べるなと考えているんですが、自分として常に試行錯誤して思い描いて、それがどんどん色濃くなって、気づいたらその姿になっていると思っています。10年後、20年後かわからないですけど、大会に出ていい結果を出すだけではなくて、育ってきた環境への恩返しも含めて、ほかにも前例がないことを成し遂げていきたいと思います。

もちろんいろんな人の支えがあって、すべて自分の力でできることではないですが、少なくとも3年前、5年前のイメージどおりに進んでいるので、簡単ではないですけど、貪欲にこうなりたいというイメ―ジを大切にしていきたいです。

表敬訪問の半井重幸さん

自分を見る目と周りからの目


テレビなどのメディアに出させてもらって、注目度はあがっています。
プレッシャーを感じている姿は見せたくないですね。自分が決めた道である以上は自分に言い訳しているのかなと思ってしまうので、やると決めたからにはそれに付随するプレッシャー、逆境は必要不可欠だし、それに嘆いちゃうと言い訳じみてしまうと思います。当然、大変だし、人間なのでプレッシャーも感じます。

成人式(令和4年)でスピーチさせてもらったときは、ちょうど大会前でしたが、自分が自分に言い聞かせることができる機会となって頑張ろうと思えたことがありがたかったです。
昔から、自分の目標を明確に周りに話して、自分のお尻を叩いています。

 

ブレイキンをより多くの人に知ってもらうために


パリオリンピック出場を2023年内に決められるのは男女6人しかいないんです。残りの10人は大会の1・2か月前まで決まりません。早く出場が決まって与えてもらった期間は、プレイヤーとして調整するだけではなく、いろんな年代の人にブレイキンを知ってもらう機会をつくっていこうと考えています。
最近になって、東京都内の若い人がいるところやレストランなどで気づいてもらえることが増えました。韓国のファンの方もいてわざわざ見に来てくれることが増えてうれしいです。
また、海外はカルチャーとして、ブレイキンの認知度が高く、日本国内では、オリンピックのムーブメントの中で、テレビ露出が増えていることから認知につながっていると思います。

チームシゲキックスとしてやっている中で、スタッフとの連携が不可欠であり、ブレイキン、広く言うとダンス、ストリートカルチャー、アーバンスポーツとか、その中で、そういうポジションにいる人がどういう発言をするかでその業界が見えると思います。メディアでの対応だけでなく、地域の人とのコミュニケーションを密にとってブレイキンを応援してもらえる環境をつくっていけたらなと考えています。

半井さんアジア大会

アジア大会中国・杭州(2023年)

写真:アフロスポーツ

自分のダンススタイルと独創性


ブレイキンにとって独創性は、いろんな要素の一部ではありますが重要な部分だと思いますし、唯一無二の存在・スタイル・ダンサーであるということは、評価基準にかかわらず、アイデンティティーとして大切だと思います。
競技として、フィジカル的な限界、人間の限界に挑戦するという面で、全体的にかなりレベルが上がってきています。もちろん、自分もそこについていき、みんなでレベルを上げているんですが、 トップレベルの中では難しいことができるのは大前提です。逆に、ハードですがやることはシンプルに、例えば、タイムを短くするのではなく、理屈がわかったうえで限界に挑戦するというアイデアや柔軟性がその人の個性になると思います。

自分はダイナミックな動きを全面に押すスタイルではないのですが、「ハーフヒューマン、ハーフマシーン」とか言われます。あんまり表現が良くないかもしれませんが、動きがロボットのように精密で人間じゃない、そんな動きをしている印象を受けられているんだろうなと感じています。
だからこそ、そこを大事にしつつ、ロボットではできない表現ができた瞬間に、ダンサー、シゲキックスとしてのレベルが一つ上がるんだと考えていて、人の心を動かせるようなダンスにつながっていくと思います。

 

人の心を動かす、ハーフマシーンを超えるイメージ


具体的には難しいところがありますが、一つステップを増やしたらできるものではなく、自分のブレイキンそのもの、人の心を動かす何か、大きい枠で一つひとつ自分が向き合いながら生活すること。ここで生まれ育ったからこういう人間になっているのと同じで、どんなところに自分の身を置いて、どんな仲間とどんな環境で、何を意識し向き合いながら生活するのかがその先の自分自身をつくりあげていくと思います。そうやってそこから生まれたもの、自分の踊りが人の心をより動かすことにつながると思います。

半井重幸さん人権を考える市民の集い

GOTCHA DANCE LIVE in 人権を考える市民のつどい

パリオリンピックに向けて


ユースオリンピックもそうですし、アンダー15の枠で日本代表として出させてもらう中で、いつもどおり、進化することを変えない、そのいつもどおりを大切にしたほうがいいなと考えています。常に進化し、変化することをやめない、このいつもどおりを続けていきます。
もちろん戦略的な部分で試したことがないことにトライすることはあると思いますが、ずっと同じ考え方でやってきているので、今までどおり、進化することに貪欲で居続けて当日を迎えたいと感じています。

プレッシャーに感じるとかではなくて、自分にとってなじみがあって居心地のいい場所がここ、大阪狭山市。地元に帰ってくる感覚で毎度、毎度良い報告をすることをモチベーションの一つにしているので、来年も良い報告ができるように頑張りたいと考えています。

 

子どもたちへのメッセージ


自分が好きっていう気持ちを大事にしてほしいです。すごくエネルギー源になるので。大変なことはいっぱいあると思うんですが、好きな物事の中の大変なことは楽しめると思うので好きな気持ちを大切にしてほしいです。

 

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